京産大サッカー部のFW福永裕也(3年)が、アジア大会(サッカー男子は9月15日~10月3日)に出場するU―21日本代表23人に、関西の大学生ではただ一人、選出された。2度の左膝手術を乗り越え、2028年のロス五輪を目指す「大岩ジャパン」に定着しつつある。

Jクラブからも注目されるシンデレラボーイは、自身初となる日本開催の国際大会で金メダル獲得に貢献することを誓った。(取材・構成=伊井 亮一)

 京産大の福永は関西の大学生でただ一人、アジア大会に臨むU―21日本代表に選ばれた。日本で開催される国際大会は自身初。「たくさんの方に見てもらえる機会がある。優勝を取りたい」と、腕をぶした。

 京都橘高2年時に、高校1、2年生によるU―17日本高校選抜に名を連ねた経験はあったが、3月の韓国遠征で初めて世代別の日本代表に選ばれた。「代表と無縁だったので、びっくりした」。6月の欧州遠征メンバーにも入り、大岩剛監督(54)からは攻撃での突破力などを評価された。

 右ウィングが主戦場で、大学では左ウィングやシャドー(1トップの後方)に加え、サイドバックもこなす。センターバックやボランチなど、小学生からGK以外を経験してきたことが生きている。「(突破力は)2回の遠征を通しても海外の選手に通用する」と、手応えを得た。

 来年3月からA代表を兼任する大岩監督については「すごい方。

勝負にこだわる監督。怖いイメージがあったけど、積極的にコミュニケーションを取られる。選手の細かいところも見ている」と尊敬。ボールを持っていない時の動きなどを指摘してもらったという。

 高校3年の夏に左膝半月板を手術した。チームは全国高校選手権出場を決めたため、切除して間に合わせる方法もあったが、将来を考えて、完治に時間を要する縫合を選択。大学入学前の3月に再手術し、復帰は1年夏だった。

 体やオフの過ごし方を見直した結果、2年秋から試合に出場し始めると、ベンチ外だった選手が世代のトップまで上り詰めた。「人生観が変わった。海外でプレーする考えはなかったけど、やりたい気持ちが強くなった」。全日本大学選抜のイタリア遠征では、8日のユベントスのリザーブチームとの親善試合で先制ゴールを挙げ、2―1の勝利に導いた。26日の天皇杯・水戸戦では、先発してJ1を2―0で破る番狂わせを起こし、初の3回戦進出に貢献。

すでに複数クラブの練習にも参加済みで、年内には入団先を決める。

 U―21日本代表の23人中、大学生は3人だけ。海外でプレーしている選手もいる。「みんな稼いでいるので、うらやましい」。同学年から“ゴチ”になることもあるが、「個のクオリティーや完成度は大学生とは比べものにならないけど、自信をなくすことはない。結果を残して生き残っていきたい」と、臆さない。想像をさらに超えるシンデレラストーリーを、これからも描いていく。

福永 裕也(ふくなが・ゆうや)

生まれとサイズ

2005年8月29日、大阪・門真市生まれ。21歳。170センチ、72キロ。右利き

競技歴

門真市立東小1年からアクバスSCでサッカーを始める。4年からG大阪ジュニアでプレー。

門真市立第七中では同ジュニアユースに在籍。京都橘高を経て、京産大経営学部に進学。2年時に関西選抜

目標の選手

ブラジル代表FWマテウス・クニャ(マンチェスターU)「一人で何でもできる。守備も頑張る」

趣味

音楽(Mr.Childrenなど)、日韓のドラマ、銭湯

家族

両親と妹2人、弟。下の妹と弟はサッカーをしている

 〇…Jリーグの富山やJFLの金沢などでプレーしたOBの吉川拓也監督(37)によれば、在学中に日の丸を背負う選手を輩出したのは、同部では初だという。福永について「何もないところから、チャンスを一人でつくり出せるのが最大の強み。いろんなポジションを高水準でできる。戦術的な理解度(の高さ)も特長。負けん気も強い」と評した。一方で、「最後のクオリティーは課題。学生の試合では圧倒的な数字を残すこと」と首位に立つ関西学生リーグで、2ケタの得点とアシストを求めた。

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