◆パ・リーグ 西武4―1楽天(30日・ベルーナドーム)
西武・栗山巧外野手(42)が30日、楽天戦(ベルーナD)で引退試合を迎え、現役最終打席で通算2152安打を放った。「PR1DE the FINAL」と銘打って行われた試合で、選手、コーチが全員、背番号1を着用して臨んだ。
あふれ出そうになる涙をこらえるように、西武・栗山は一塁上で唇をグッとかみ締めた。「泣きそうやなと思いながら(笑)」。8回2死の第4打席。初球、泰の153キロ直球を捉えた打球は、二遊間を破って中前へ抜けた。西武一筋25年を貫いた男が、現役最後の打席で通算2152本目となる安打をマーク。「『こんなにヒット打って嬉しいんやな』って」。割れんばかりの拍手が起こる中でベンチに戻ると、最後に大きくひと息ついて、球場を青く染めたファンに向かってヘルメットを掲げた。
有言実行の一打だった。引退試合に先駆け午前9時から行われた会見。
兵庫・育英から01年ドラフト4巡目で入団し25年。一歩ずつ着実に歩みを進めて「ミスターレオ」栗山巧を作り上げた。
「ライオンズが僕のことを必要としてくれて、僕もライオンズが大好き。『このユニホームを着て皆さんの前でプレーしたい』っていう、その積み重ねが毎年あってここまでやれた」
入団当初に2軍打撃コーチだった田辺徳雄・現3軍野手コーチ(60)と二人三脚で毎日、コツコツと打撃練習を重ねてきた。田辺コーチは「中村(剛也)とは真逆。中村はもうほとんど出来上がってるタイプだった。比べたら栗山はまだまだ一からやっていかなきゃいけない、実力も何もかもそういう選手だった」と当時を回顧する。
体にはライオンズブルーの血が流れ続ける。14年に取得していた海外FA権を16年オフに行使。当時FA移籍する選手も少なくなかった中で、宣言残留の道を選んだ。昨年11月の契約更改時に、今季限りでの現役引退を、異例といえる1年前に表明したが、白球と真摯(しんし)に向き合う姿勢は変わらず。ドラフト同期で25年間、共にプレーした中村剛は証言する。「野球に対する研究熱心さとか、準備の仕方とか。何事にもクエスチョンを持っていろいろ考えてるなって」。6度本塁打王を獲得した「ツレ」も感嘆する向上心で駆け抜けた。
場内一周中には、ともに戦ってきたファンから“最後のチャンテ4”が贈られ涙が止まらず。今後は未定だが、「今までもこれからもライオンズの栗山です」と新たな約束を交わしてグラウンドを後にした。ミスターレオの新章が待ち遠しい。
(大中 彩未)
◆栗山 巧(くりやま・たくみ)1983年9月3日、兵庫・神戸市生まれ。育英では2年春夏に甲子園に出場し、2001年ドラフト4巡目で西武に入団。同期は中村剛也。08年に167安打を放ち最多安打を獲得し、ベストナイン4度、ゴールデン・グラブ賞1度受賞。21年に通算2000安打を達成。25年12月の契約更改時に今季限りでの引退を表明した。177センチ、85キロ。右投左打。今季年俸6000万円。










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