◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 担当するJ2札幌に宮沢裕樹という選手がいる。札幌一筋でプロ19年目。

フィールド選手最年長の37歳はFWで加入し、センターバックまでセンターラインは全てこなしてきた。プロサッカー選手が1つのクラブで経歴を全うするのは簡単ではない。海外移籍のほか、戦力外などもある。宮沢は少なくとも2度、他チームへ行く可能性があったが、故郷でのプレーを選択してきた。

 今季も開幕から試合に絡みJ1、J2での出場数は520試合が目前に迫る。「僕はサッカー界で見たら平凡な選手。積み重ねでやっていくしかないから。いろんなことを吸収しながら適応しようとやってきた」。プロ入り後9人の監督から指導を受け、コンスタントに出場を続けてきたまれな存在といえる。

 抜群の身体能力やスピードなど際立った特徴がない中で、なぜ長く活躍できるのか。感じた一端がある。10年ほど前、持病の痛風発作が出た私は、練習場の脇で右足を引きずりながら歩いていた。

練習後、宮沢から「痛風でしょ」と突っ込まれた。練習中に数十メートル離れた所まで見ていた観察眼に驚くと「あそこに誰がいるな…とか、全部見てますよ」と笑っていた。

 「視野が広い」と、こじつけるつもりはない。ただ「サッカーに限らず、いろんな情報を入れるのは癖なので。人の顔色とかも見ちゃう」という習慣をプレーで体現できることは、長く活躍できた要素の1つだと思っている。「残りはめちゃくちゃ長くはない。戦力になれなくなったら終わり」。宮沢は現役生活を札幌で終えると決めている。その時まで、担当を離れても見守っていきたい。(サッカー担当・砂田 秀人)

 ◆砂田 秀人(すなだ・ひでと) 2020年に入社し北海道支局。今月から日本ハム担当。

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