バルサ「ラ・マシア」の知られざる現実 今夏だけで大量流出……...の画像はこちら >>

ヤマルらを生み出す一方で…… photo/Getty Images

スペイン紙が特集

バルセロナの強さを支える「ラ・マシア」。しかし、世界最高峰とも称される下部組織には、華々しい成功とは対照的な現実もある。



スペイン紙『MARCA』は4日、「ラ・マシアのもう一つの顔」と題した記事を掲載。今夏の移籍市場を通じて、トップチームに定着できなかった多くのカンテラーノがバルセロナを離れることになった現状に注目している。

ラ・マシアは、単に多くの選手を育てるだけではない。トップチームの厳しい競争を勝ち抜き、世界最高レベルの舞台でプレイできる選手を継続的に送り出してきた。

近年だけを見ても、ラミン・ヤマル、フェルミン・ロペス、ガビ、パウ・クバルシ、マルク・ベルナルら、バルセロナの未来を担う選手が次々とトップチームに登場。GKからDF、MF、FWまで、あらゆるポジションで逸材を輩出している。

一方で、ラ・マシアで長年育成された選手すべてが、トップチームのユニフォームを着続けられるわけではない。

今夏、その現実が改めて浮き彫りになった。

『MARCA』によれば、マルク・カサド、アンス・ファティ、イニャキ・ペーニャ、エクトル・フォルト、ジョフレ・トレンツ、トニ・フェルナンデス、ギジェ・フェルナンデス、アルバロ・コルテス、トミー・マルケス、ダニ・ロドリゲス、コヘン、アーロン・ヤコビシュビリらが、ここ数週間でバルセロナを離れたという。

その多くは移籍という形でクラブを去っている。

ファティはモナコ、トレンツはアヤックス、フォルトはレアル・ソシエダ、トミー・マルケスはスポルティング・ブラガ、ペーニャはパナシナイコスへ。それ以外にもコルテスはロイヤル・アントワープ、ギジェ・フェルナンデスはマジョルカ、トニ・フェルナンデスはヴェネツィアへ移籍した。


幼少期からバルセロナで育ち、トップチームでプレイすることを夢見てきた選手たちにとって、クラブを離れる決断は決して簡単ではない。

ファティも退団時に、ラ・マシアで過ごした時間について「ここに来たのは子どもの頃だった。ラ・マシアは私の家だった」と振り返り、仲間やスタッフらへの感謝を示した。

カサドも「バルセロナでプレイすることをやめるのは、いつだって難しい」と語っている。

ただし、『MARCA』が強調するのは、こうした大量流出が必ずしもラ・マシアの問題を意味するわけではないという点だ。

むしろ、育成された選手たちが欧州各国のクラブから求められていることは、ラ・マシアの育成力を証明している。

さらに、移籍によってバルセロナが得る収入も無視できない。

『MARCA』によると、ファティとトミー・マルケスの移籍で計1100万ユーロ、フォルトで850万ユーロ、トレンツとトニ・フェルナンデスでそれぞれ500万ユーロ、コルテスで400万ユーロ、ペーニャで300万ユーロをクラブが得ている。

つまり、ラ・マシアからトップチームに上がれなかった選手たちも、別のクラブへ移籍することでバルセロナに経済的な価値をもたらしている。

トップチームで活躍するヤマルやガビらだけが、ラ・マシアの成果ではない。

欧州のクラブが獲得を望む選手を次々と生み出し、その移籍によって収益まで生み出す――。『MARCA』が描いた「もう一つのラ・マシア」は、成功しているからこそ生じる激しい競争と大量流出という、名門育成組織の厳しい現実を映し出している。

編集部おすすめ