写真はイメージです
◆バングラデシュの電力不足と環境汚染の実態
バングラデシュでは、経済成長と人口増加に伴い電力需要が拡大する一方、燃料調達の制約から慢性的な電力不足が続いています。国際エネルギー経済研究所(IEEFA)の分析によれば、同国の電力供給は輸入(電力および燃料)への依存度が高く、2024~25年度には総供給の約65%を輸入に依存しました。国内需要のピークは2025年7月23日に17,099メガワットに達し、燃料不足を背景に同年4月26日には最大約2,353メガワットに及ぶ計画停電(ロードシェディング)が発生しています。
天然ガスの供給不足により稼働に支障をきたす発電所は、2025年8月末から9月にかけて12か所から19か所へ増加しました。こうした化石燃料への過度な依存は、環境負荷の増大とも密接に関係しています。国際的な大気環境調査機関IQAirが2026年3月に公表した「世界大気質報告書(2025年)」によれば、バングラデシュの微小粒子状物質(PM2.5)の年間平均濃度は1立方メートルあたり66.1マイクログラムに達し、これは世界保健機関(WHO)の指針値(同5マイクログラム)の約13.2倍にあたります。
同国は世界で2番目に大気汚染が深刻な国とされ、首都ダッカは世界で2番目に汚染された首都と位置づけられました。汚染の主要因としては、工場・自動車からの排出ガス、れんが焼成炉、建設粉じん等が指摘されています。以上のとおり、バングラデシュ政府は電力不足の解消と環境汚染の改善という2つの課題に同時に対応する必要に迫られており、火力偏重の電源構成からの転換に向けた対策を打ち出しています。
◆再生可能エネルギー・太陽光発電の政策動向と市場機会
電力不足を補い環境負荷を低減する手段として、バングラデシュ政府は再生可能エネルギー、とりわけ太陽光発電の開発に注力しています。同国政府(電力・エネルギー・鉱物資源省 電力部門)は、2025年6月に約17年ぶりとなる新たな「再生可能エネルギー政策2025(Renewable Energy Policy 2025)」を策定し、2030年までに電力需要の20%を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げました。
同政策では、再生可能エネルギー発電事業者に対する最長10年間の法人税免除等の優遇措置や、屋上太陽光・水上太陽光・農業併用型太陽光など多様な太陽光技術の導入が盛り込まれています。もっとも、現状では再生可能エネルギーが総発電設備容量に占める比率は約5.6%(設備容量ベース)にとどまっており、目標達成には太陽光発電を中心とした大規模な追加投資が不可欠です。政策の推進機関としては、持続可能・再生可能エネルギー開発庁(SREDA)が調整役を担い、実施ロードマップの策定や品質管理体制の整備を進めることとされています。
こうした政策環境は、太陽光発電の設計・EPC・機材供給・運営保守(O&M)に強みを持つSDSホールディングスにとって、継続的な事業機会が見込まれる市場であると認識しています。
◆現地証券会社との連携と発電所開発の支援計画
上記のような市場環境を踏まえ、SDSホールディングスは、バングラデシュにおける発電所開発を支援する計画を進めています。具体的には、現地の証券会社及び建設会社、太陽光開発会社と連携し、同国において100メガワット(MW)級の発電所開発を支援することを企図しています。本計画に関連する所管官庁および発注機関は、以下のとおりです。
【電力・エネルギー行政を所管する中央省庁】
「電力・エネルギー・鉱物資源省(Ministry of Power, Energy and Mineral Resources)」
【主要管轄部門】 「電力部門(Power Division)」
「エネルギー・鉱物資源部門(Energy and Mineral Resources Division)」
【発電・送電に関する実務部門】
「バングラデシュ電力開発庁(Bangladesh Power Development Board:BPDB)」
【再生可能エネルギーの普及・調整部門】
「持続可能・再生可能エネルギー開発庁(Sustainable and Renewable Energy Development Authority:SREDA)」
【電気事業の規制】
「バングラデシュエネルギー規制委員会(Bangladesh Energy Regulatory Commission:BERC)」
現地パートナーとの協議の様子
◆現地法人との資本提携(合弁事業・JV)の検討状況
SDSホールディングスは、発電設備の技術・品質・機材供給の面から本計画に関与することを基本方針とし、現地パートナーが施工・許認可・現地調整を担う役割分担を想定しています。なお、本項に記載した現地証券会社との連携内容および発電所の規模は、現時点で最終合意に至っていない検討中の計画であり、今後の協議の結果、内容が変更または中止となる可能性も含まれます。
上記の計画の推進にあたり、SDSホールディングスは現地法人との合弁事業(JV)の組成をはじめとする資本提携についても検討を進めています。これは、現地の施工体制・許認可・行政ネットワークを活用しつつ、関与範囲とリスクを適切に管理することを目的とするものです。
※記載されている将来に関する記述は、本資料の作成時点において入手可能な情報および合理的であると判断する一定の前提に基づくものであり、今後の経済情勢、市場環境、為替の変動、バングラデシュ人民共和国における政策および法規制の変更、許認可の取得状況、入札の結果、現地パートナーとの協議の進捗等さまざまな要因により、記載された見通しとは大きく異なる可能性があります。
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