日経平均7万円超え! AI半導体ブームや原油下落に加え、高市政権の成長戦略への期待、企業の自社株買い増加への評価など、「7つ」の追い風が外国人投資家の買いを呼び込み、日本株の上昇を牽(けん)引しています。
 時間分散しながら割安な日本株を買い増していくことが、長期の資産形成に寄与すると考えています。


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原油先物下落、AI半導体ブームの恩恵が日本株に

 先週(営業日6月15~19日)の日経平均株価は1週間で5,230円(7.9%)上昇して、7万1,250円となりました。7万円台に入り、史上最高値を大幅に更新しました。


 複数の好材料が重なり、外国人投資家とみられる買いが増えて、日経平均の大幅上昇につながりました。


【1】AI・半導体ブームが、日本企業が得意とするハードウエア分野に広がってきたこと
 ブームの恩恵で業績拡大が続く、フジクラ(5803)、アドバンテスト(6857)などが値を飛ばして、日経平均上昇をけん引しました。


【2】米国・イランによる停戦延長合意を受けて原油先物が下落したこと


【3】高市政権による財政拡張を伴う成長戦略への期待が続いていること


【4】トランプ大統領の政策がマーケットフレンドリー・景気刺激的になってきたこと
 トランプ大統領は最近、関税強硬策、対中強硬策、政府効率化省を通じた財政削減策をトーンダウンさせ、景気刺激的な政策に転じつつあります。それを受けて米景気も回復基調にあります。


【5】日本がデフレ経済からインフレ経済に転換したこと


【6】日本企業に自社株買いが増えていること


【7】日米とも金利上昇不安があるが、日米とも先週の金融政策決定会合は無難に通過したこと


<日経平均週足:2025年7月1日~2026年6月19日>
日経平均7万円超え。AI半導体ブーム、原油下落など7つの追い風(窪田真之)
出所:楽天証券MS IIより作成

 日本株の株価指数の中で、AI・半導体関連株の構成比が高い日経平均の上昇率の高さが際立っています。日経平均にやや過熱感はあるものの、日本株市場全体には過熱感はないと思います。


 予想株価収益率(PER)は東証プライム市場で約18倍と割高感はありません。東証スタンダード市場は予想PER14.4倍で割安と評価しています。業績拡大を伴う株価上昇になっていると考えています。


<日経平均・東証プライム・スタンダード・グロース250指数の動き比較:2019年末~2026年6月19日>
日経平均7万円超え。AI半導体ブーム、原油下落など7つの追い風(窪田真之)
出所: QUICKより作成、2019年末を100として指数化、予想PERは2026年6月19日時点

イラン戦争は、緊張感を伴う休戦長期化か?

 中東危機は簡単には終わらないものの、米国・イランはいったん停戦延長に合意した形です。


【1】核開発、【2】ホルムズ通航料、【3】レバノン情勢(イスラエル・ヒズボラの戦闘)など未解決の問題で、米国イスラエル・イランが完全に合意できる可能性は極めて低いと思われます。それでも停戦状態は長期化する可能性があると思われます。


 近年、戦争の出口として、包括的な「和平条約」の締結は極めて困難となっています。代わって定着しているのが、政治的妥協を棚上げした「軍事的休戦(凍結)」です。この形態は、当事国間に恒久的な緊張を残す一方、大規模な破壊活動を抑制します。イラン戦争も、そうした終結(一時凍結)となる可能性があり、恒久的に緊張が続く中での休戦が長期化すると思われます。


「和平条約なき休戦」の最も代表的な例は、朝鮮戦争です。1953年に締結されたのは「休戦協定」であり、法的には現在も戦争状態が継続しています。


 エネルギー危機は回避できる見通しとなったことを受けて、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物は1バレル=70ドル台まで下落しています。


<WTI原油先物(期近):2022年1月3日~2026年6月19日>
日経平均7万円超え。AI半導体ブーム、原油下落など7つの追い風(窪田真之)
出所:QUICKより楽天証券経済研究所作成

日米金融政策、ともにタカ派トーン

 日米とも、景気・企業業績モメンタムが改善しつつあることは株式市場にとって追い風ですが、日米ともインフレ高進、金利上昇の不安は続いています。


 15・16日の日本銀行金融政策決定会合で、日銀は事前に示唆していた通り、0.75%→1%への利上げを実施しました。利上げ後の記者会見の内田真一副総裁のコメントはタカ派トーンだったと考えています。インフレ高進のリスクが高くなっていることを強調し、さらなる利上げへの地ならしをしたとみています。


 16・17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金利は据え置かれました。ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、記者会見で先行きの金融政策の示唆を出さないことを強調しました。


 ただし、前後の発言も含め、タカ派トーンであったと解釈できます。利下げを求めるトランプ大統領とあつれきを避けるために、市場との対話を閉ざし、先行きの金融政策についての考えを秘匿する方針としたと思われます。


 日米とも金融政策がタカ派トーンであったにもかかわらず、株がネガティブに反応しなかったのは、中東危機が緩和して、原油先物が下落した効果と考えられます。原油下落によって、インフレ再燃→金利上昇のピッチが目先鈍化すると期待されました。


<日米長期・超長期金利の動き:2019年末~2026年6月19日>
日経平均7万円超え。AI半導体ブーム、原油下落など7つの追い風(窪田真之)
出所:QUICKより作成

日本株の投資方針

 日経平均の上昇ピッチがやや速すぎますが、それでも、長期的視点で見て、日本株は割安で、長期的な上値余地が大きいとの見方は変わりません。


 これからも日経平均は乱高下が続きそうですが、割安な日本株に分散しながら投資していくことは、長期の資産形成に寄与すると考えています。


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(窪田 真之)

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