日本株の高値波乱が続いています。企業業績のモメンタム(勢い)は強いですが、金利上昇に加え、外国人投資家がやや売り越しとなっていることが気になります。

夏場は季節的に弱含む傾向があることも勘案し、少し日本株を売ってみても良いと思います。一方、出遅れの好業績小型株には、これから買っていきたい銘柄が多数あります。


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先週の日経平均は続落、金利上昇・半導体株下落の影響を受けて大荒れ

 先週(営業日7月6~10日)の日経平均株価は、引き続き、半導体・AI関連株乱高下の影響を受けて、大荒れでした。1週間で1,186円(1.7%)下落して、6万8,557円となりました。9日には一時、6万7,008円まで下がりましたが、そこから急反発しました。


 先週の半導体株価指数は、1週間で3.9%の下落でした。7月8日には一時前週比9.8%の下落となりましたが、そこから急反発しました。


 先週前半は、金利上昇を嫌気して、世界的に半導体・AI関連株を売る流れが続きましたが、足元の半導体株の決算が非常に好調であることを受けて、先週後半は、半導体株を買い戻す動きがみられました。


 日経平均は、アドバンテスト、東京エレクトロン、キオクシアHD、ソフトバンクグループなど、半導体・AI関連株の構成比が高いことから、この影響を受けました。


 一方、日本株全体の動きをより忠実にあらわすTOPIX(東証株価指数)は、先週は0.7%の下落でした。出遅れ銘柄への物色が進み、TOPIXは堅調です。


<日経平均とTOPIX、半導体株価指数の動きおよび年初来上昇率:2025年末~2026年7月10日>
日本株、この夏の投資戦略。業績好調だが高値波乱(窪田真之)
出所:2025年末=100、QUICKより楽天証券経済研究所作成

 AIデータセンターへの巨額投資が世界中で続くことから、半導体産業はその恩恵を受けて、空前のブームの最中にあります。ただし、株価はそれをかなり織り込み済みで、近年、急激な上昇が続きました。

今年、日本の半導体株価指数は年初来130%上昇しています。


 半導体産業は、シリコン・サイクルといわれる好不況を繰り返してきました。そろそろピークアウトが近いのか、ここからさらに大幅増益することを織り込んでさらに上がるのか、強弱感が対立しています。


 日経平均よりも、日本株全体の状況をよく表しているのは、TOPIX(東証株価指数)です。日経平均が年初来36.2%上昇していることに対し、TOPIXは18.4%しか上昇していません。日経平均にやや過熱感があるものの、TOPIXはそれほど過熱しているとは言えません。出遅れ株の物色を受けて、足元、TOPIXは日経平均よりも堅調となっています。


外国人投資家はやや売り越し

 日本株を動かしているのは外国人投資家です。外国人は売る時は下値を叩いて売り、買う時は上値を追って買ってくるので、日経平均は外国人が売れば下がり外国人が買えば上がる傾向が30年以上続いています。


<日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と先物の合計):2026年1月5日―2026年7月10日(外国人売買動向は2026年7月3日まで)>
日本株、この夏の投資戦略。業績好調だが高値波乱(窪田真之)
出所:QUICKより楽天証券経済研究所作成注:外国人売買は、株式現物と株価指数先物の合計。棒グラフが上(プラス方向)に伸びているのは買越、下(マイナス方向)に伸びているのは売越を示す

 今年も、日経平均は外国人の売買で動いています。年初に、高市首相が衆院解散総選挙を実施して、自民党が大勝したことを好感して、日経平均は外国人の買いで急騰しました。


 2月末よりイラン戦争が起こると、外国人の売りによって日経平均は急落しました。4月以降、深刻なエネルギー危機は回避できそうとの見通しが広がると、外国人の買いで日経平均は急騰しました。


 ところが、6月以降、外国人投資家は、日本株を売り越すようになっています。この売りがさらに続くか否か、慎重にみきわめる必要があります。


企業業績モメンタムは強い

 2026年4-6月の決算発表が始まっています。業績好調と予想されます。先行指標といえる、6月の日銀短観が強かったからです。


<日銀短観、大企業DIの推移:2020年3月~2026年6月>
日本株、この夏の投資戦略。業績好調だが高値波乱(窪田真之)
出所:日本銀行「全国企業短期経済観測調査」より楽天証券経済研究所作成

 大企業DIは+20ならば好調と言えます。6月の非製造業DIは+37で、めったに見られないほど「非常に好調」です。建設・不動産・情報通信・サービス・観光業などが非常に好調です。


 製造業DIも+22と好調です。トランプ関税の影響が一巡する中、円安・米景気好調・半導体好調・設備投資回復などの追い風を受けています。


金利上昇が新たな不安材料に

 景気・企業業績は良好なものの、日米ともにインフレ懸念が強まり、長期金利上昇が続いていることが、株式市場にとって、懸念材料となっています。


<日米長期・超長期金利の推移:2019年末~2026年7月10日>
日本株、この夏の投資戦略。業績好調だが高値波乱(窪田真之)
出所:QUICKより楽天証券経済研究所作成

 先週は、高市政権による「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案が発表されたことを受けて、日本の長期(10年)金利が上昇して一時3%に近づき「骨太ショック」と言われました。米国でもインフレ再燃への懸念から長期金利が上昇していて、それが、半導体・AI関連株の売りにつながりました。


 ただし、日本では10日、片山さつき財務相がGPIF(日本最大の公的年金基金)による国内債券への投資を後押しする策を探ると発言したことを受けて、長期金利は低下しました。

公的年金の買いで長期金利上昇が抑えられる思惑が出て、いったん長期金利の3%乗せを回避した形です。


 ただし、日本の潜在インフレ率が高まっていること、日本銀行による利上げも見込まれることから、長期金利がいずれ3%に乗せるのは時間の問題と、私は予想しています。


日本株投資戦略

 半導体・AI関連株が高値波乱となっていること、外国人投資家が日本株を少し売り越しとなってきていることから、夏場は少し弱含む可能性もあると思います。少しだけ、日本株を売ってみても良いと思います。


 ただし、売り過ぎないように注意が必要です。これから発表が本格化する2026年4-6月の企業業績好調が予想されるからです。


 やや過熱感のある半導体・AI関連株を少し売って、出遅れの好業績小型株を買ってみるのも良いと思います。


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(窪田 真之)

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