「旅×お金の知恵」をテーマに、ファイナンシャル・プランナーの風呂内亜矢がつづる旅エッセイ。連載第1回目は、夫婦で決行した54日間の世界一周旅行を舞台に、「世界一周航空券」の仕組みから、夢を叶えるための資産形成・資産運用の考え方を解説します。

築いた資産を人生の豊かさに変えるための、お金と旅の向き合い方とは?


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3年越しの想いを乗せて、いざ世界一周へ

 2023年5月16日朝、私たち夫婦は「ようやく!ようやくだね!!」と話しながら、羽田空港第3ターミナルで足早にキャリーケースを引いていました。世界一周航空券を最初に発券したのは2020年。コロナ禍で泣く泣くキャンセルし、3年越しでようやく実現する出発の朝でした。これからパリ、ロンドン、バルセロナ、ニューヨーク、ワシントンD.C.、ラスベガス、サンフランシスコを経て成田に戻ってくる54日間の旅が始まります。


プロローグ:世界一周航空券とは?築いた資産はいつ使うのか
グリーンのないグリーンランド上空(写真:著者提供)

 そもそものきっかけは、2020年に夫が転職を検討していたことでした。次の仕事までにまとまった休みが取れそうだと、思い出したのが「世界一周航空券」の存在です。ところがコロナ禍で計画は頓挫。身動きが取りづらい時期だからと夫は美術大学の通信課程で学び始め、ようやく世界が落ち着いてきた2023年、私たちは満を持して旅に出ることにしたのです。


世界一周航空券の仕組みと、連載のコンセプト

 世界一周航空券とは、「大西洋と太平洋を1回ずつ通る」「大陸の逆走はできない」など一定のルールを守り、ぐるりと世界一周するようにルートを設定することができれば、格安に飛行機に乗れる、ひとつなぎのチケットです。


 通常の航空チケットでも、同じ目的地に対して直行便よりも乗り継ぎ便の方が安くなることがありますよね。その延長のようなものを想像していただくと分かりやすいかもしれません。


 世界一周航空券はJALが所属するワンワールド、ANAが所属するスターアライアンスなど、航空連合単位で提供される商品です。そのため同じ航空連合であれば、異なる複数の航空会社の飛行機を利用することができます。私たちはワンワールドの世界一周航空券を利用し、JAL、ブリティッシュエアウェイズ、アメリカン航空などの飛行機に搭乗しました。


 気になるお値段ですが、私たちが2023年に利用したワンワールド世界一周航空券(3大陸・ビジネスクラス)は、燃油サーチャージ込みで1人約83万円(チケット代は約66万円)でした。欧州まで1往復か、場合によっては片道だけでもビジネスクラスに乗ればそのくらいの金額はかかります。その同じ金額で私たちは計8回、1箇所だけ国内線・エコノミークラスになりましたが、その他は国際線・国内線のビジネスクラスを体験することができました。ルール上では最大16回、ビジネスクラスに乗ることができます。


 その後、チケット代自体の値上げがありましたし、そもそもルートや発券した月によって燃油サーチャージなどは変動しますが、いずれにしても、長距離移動の予定があるならば、一考することで、もう1~2都市、追加で観光ができてしまうような価格構成のチケットといえます。


プロローグ:世界一周航空券とは?築いた資産はいつ使うのか
ビジネスクラスなので食事も豪華。ラウンジで食べたJALカレーと機内で食べたステーキ(写真:著者提供)

 さて、この連載では、世界一周航空券を利用して巡った都市の旅行記を中心にお伝えしていきます。旅行先として気になっている都市があれば、観光情報としてお楽しみいただくことができるかもしれませんし、ファイナンシャル・プランナーなのでお金のTIPSも織り込んでいく予定です。気楽に読みつつ次回の旅がお得になる情報をお届けできるかもしれません。


プロローグ:世界一周航空券とは?築いた資産はいつ使うのか
JALの羽田→パリビジネスクラスではメインのコースが終了すると、いつでも好きなタイミングで好きなものが選択可能。実はサーモン丼希望だったが在庫切れだったため、機転を利かせサーモンベーグルを提供してくれた(写真:著者提供)

旅の総額430万円、コストをどう考えるか

 私たち夫婦はこの54日間の旅で合計約430万円の費用を払いました。主にビジネスクラスを利用したこと、比較的物価が高い欧米が目的地だったこと、サバイバル能力低めのため滞在施設にも一定のクオリティを求めたことなどを考えると、個人的にはなかなかコストを抑えられたと思っています。


 とはいえ430万円、それなりの金額です。人生のいつのタイミングでこうしたまとまった出費を実行するのかと考えると決断にはそれなりに勇気が必要です。わが家で定期的に行っているのは「このままの生活が続くとわが家の資産は何年でいくらになるのか」あるいは「何年に尽きてしまうのか」という資産の残高推移を整理・予測することです。


 2023年時点でもそうしたチェックをして旅に出かけましたし、実は夫は結局その後転職をせず、写真作家としての活動を始めました。その際にも現在の資産状況と今後の収支を予測して、どうしたら持続可能かを話し合い、現在は週2回、写真作家とは別の仕事で一定の収入を確保しながら活動を続けることを夫婦で決断しました。


 築いた資産をいつ、どのように使うのか。資産の残高推移を整理して予測することで、本当に使いたかったタイミングや用途がクリアになることもありますね。


※本文中の価格は特筆がなければ2023年5~7月当時のもの。


プロローグ:世界一周航空券とは?築いた資産はいつ使うのか
現在JALの羽田→パリの機体はA350-1000になっているが、当時はボーイング777-300ERだった。自分が使える窓が3枚もあり、これはこれで快適な空の旅だった(写真:著者提供)

今回のTIPS

  • 世界一周航空券という格安に飛行機に乗れる航空券がある
  • 大きな決断をする際は資産推移の整理と予測を片手に

関連動画

  • YouTubeチャンネル「 FUROUCHI vlog 」
    • 世界一周航空券を買いました/3年前発券時との比較
    • 世界一周旅行の総額は?
    • 【再生リスト】世界一周航空券関連 (2023年5-7月)

(風呂内 亜矢)

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