中間選挙まではトランプ政権はなりふり構わぬ株高を演出しようとするだろう。その策が成功するかどうかは金利次第である。
パーマネントポートフォリオで中間選挙後の激変に対応すべきか!?
米国の増え続ける巨額の国家債務と軍事力の低下は米帝国の終焉(しゅうえん)を招く完璧なレシピである。法定通貨の信頼低下に対するヘッジとしてゴールド(金)などのインフレ対策資産を持つべきだ。
今の時期は無理をせずに、「パーマネントポートフォリオ」(25%を現金、25%をゴールド、25%を高品質の債券、そして25%の株式)でしばらく様子を見るのが賢明だろう。
米国は持続不可能なレベルまで膨れ上がる国家債務(負債)と、相対的に低下・崩壊しつつある軍事力に苦しんでいる。米国がこれまで覇権を維持するために大量のドル紙幣を刷り、市場を維持してきたが、ベッセント財務長官の最近のろうばいぶりを見ても分かるように、その手法は限界に近づいている。
米国の国家債務の推移
【1945年、米国は世界の通貨の80%を保有していた。当時はゴールド(金)が通貨だった。世界のGDPの半分を占め、軍事力の独占権を持っていた。だから米国が世界秩序を決定したのだ】
(レイ・ダリオ)
ドラッケンミラーは、1991~2000年および2011~2015年にベッセント財務長官の上司を務めた。そして、ドラッケンミラーは、2011~2026年にウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の上司も務めた。
ベッセント長官の米長期債買い戻し計画に対して、ドラッケンミラーは「ファンダメンタルズに反する価格を守ろうとする政府は、必ず敗れる」と述べた。ベッセントは、財務省による長期債の追加購入を通じて利回りを押し下げる方針を推進してきた。
これに対しドラッケンミラーは、「長期金利こそ公的支出を抑制する唯一の実効的な手段であり、ベッセントはその機能を取り除こうとしている」と批判した。
ベッセントの策略は、中間選挙が近づく中、利回りのさらなる急騰を防ぎ、成長を阻害しないための短期的な解決策に過ぎず、現在40兆ドルに達している債務には対処していない。ベッセントのやっていることは、中間選挙までのなりふり構わない小手先の危機の先送り策である。だが、策士は策に溺れる。
【もし、自分が市場よりも賢いと傲慢に思い込み、原油価格や為替レート、米国債利回り、株価を意のままに操れると信じている男が、経済の天才などではなく、単に自分の知性を驚くほど過大評価している無能な愚か者に過ぎなかったとしたらどうだろうか?
スコット・ベッセントのヘッジファンド・マネージャーとしての実績は、決して伝説と呼べるようなものではない。2000年にソロス・ファンドを去った後、彼は10億ドルのファンドを立ち上げたが、わずか5年後に破綻した。2015年には、ソロス・ファンドの元幹部であるマイケル・ジェルミノと共にキー・スクエア・グループを共同設立した。
同社は当初、ソロスからの20億ドルのアンカー投資の恩恵を受けたが、そのいわゆるサクセスストーリーはすぐに輝きを失った。
運用資産は2017年の51億ドルから2023年にはわずか5億7,700万ドルへと急落し、機関投資家の数は180社からわずか20社に減少したと報じられている。ソロス自身も2018年に資金を引き揚げた。
経済政策についてこれほど権威ある口調で語っている人物にしては、ベッセント自身の実績は驚くほど見劣りする。大げさなレトリックやウォール街での経歴を剥ぎ取れば、残るのは極めて不愉快な数字に彩られた経歴であり、彼の専門知識に関する主張が、実際の成果よりもはるかに印象的なものではないかと疑う十分な理由がある】
(@ricwe123)
ベッセントが情報を隠そうとしたり削除しようとしたりする行為が、かえって人々の好奇心を刺激し、その情報を広く拡散させてしまってるようだ。
米国10年国債金利(月足)
繁栄する帝国に必要な「強力な経済」「堅実な通貨」「管理された負債」が、現在の米国には備わっていない。
米ドルの最終的な裏付け(担保)は、ゴールドでもペトロダラーでもなく、強大な軍事力である。米国は強大な軍事力を担保として、基軸通貨ドルという信用(共同幻想)を成立させている。
米国は世界中から資金を調達して国家の覇権とエリート層の繁栄を謳歌(おうか)してきた一方、巨額の国家債務や経済の分断を抱えている。膨らみ続ける財政赤字や地政学リスクの中で、金(ゴールド)の価値高騰などを通じ、これまでの「軍事力とドル」を軸にした秩序が曲がり角を迎えている。
ゴールドCFD(月足)
【アメリカはこの戦争を単純に賄いきれない…そして市場はそれを知っている。通常、危機の時期には、投資家は債券に安全を求める。特に米国債…世界で最も安全な資産とされるものだ。だが、今回は違う。投資家が見ているのは:
- 40兆ドルの債務
- 約120兆ドルの未資金化負債
- 2兆ドルの年間赤字
- 2000年以来、債務発行が年平均約8%増加
- 10年物利回りが5%に近づく債務対GDP比が第二次世界大戦時のピークを超えた状態で大規模な戦争に突入し、世界の残りがそれを融資してくれると期待するのは無理だ。特に、負けているのがますます明らかになっているときに…】
(@ekwufinance)
ドル円(月足)【衰退の一途をたどる帝国の末期を生き抜くことは、借金、堕落、否定という死の淵で暴れまわり、動揺し、決して楽しい経験ではない。しかし、それは歴史のサイクルが再び繰り返されるだけであり、帝国の名前は変わり、悪役や愚か者は変わり、内戦や国際紛争が起こり、その果てに債務不履行が起こる。
20世紀初頭からアメリカが支配し、コントロールしてきた既存の社会秩序は、債務不履行、社会的混乱、世界規模の戦争という津波に押し流され、急速に終焉に向かっている。それが「フォース・ターニング」だ。レイ・ダリオはグローバル・エリートの一人だが、私はレイ・ダリオの世界秩序の変化に関するチャートは、私たちがこのサイクルの中でどのような位置にいるのかについて正確だと信じている。ドット・コムの大暴落と9.11をきっかけに、債務、貨幣印刷、専制政治が天文学的に増大し、債務と貨幣印刷によって引き起こされた危機のたびに、さらなる債務と貨幣印刷という「解決策」が打ち出された。米国債の利子は年間1兆ドルを超えており、アメリカの経済システムは数年以内に崩壊するだろう】出所:ジム・クイン『アメリカ帝国の終焉』
【今後の米国債務危機について我々はいつものやり方で対処するだろう。通貨を切り下げ、お金を刷り、人為的に低金利を作り出して、債券保有者に損害を負わせるのだ。日本もそうしてきた……そして我々もそうするだろう】
(レイ・ダリオ)
信用拡大は政府が市場経済と闘う第一手である」「資本主義から計画経済に導く全ての歩みが必然的に専制・独裁に近づく歩みとなる」と、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスは述べたが、この作戦が失敗すると、ジョージ・オーウェルの「1984的な監視社会」の方位に世界は動いていくだろう。それは米中間選挙後から加速していくだろう。
8月26日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」
8月26日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」は、今中能夫さん(楽天証券経済研究所 チーフアナリスト)をゲストにお招きして、「エヌビディア決算と今後の注目点」「インデックス、AI、半導体、量子銘柄の実践トレード」をテーマに、今中さんと話をしてみました。ぜひ、ご視聴ください。
ラジオNIKKEIの番組ホームページ から出演者の資料がダウンロードできるので、投資の参考にしていただきたい。
8月26日:楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー
<セミナーのご案内>
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10月10日(土)の「投資戦略フェアEXPO2026大阪」に楽天証券さんの協賛で登壇します。
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(石原 順)

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