“巨大化”が続く最新モデルたち

 昨今、新型車のボディサイズは巨大化の一途を辿っています。筆者(まるも亜希子:カーライフ・ジャーナリスト)の周りでも「愛車の新型が出たので買い替えようと見に行ったら、車体が大きくなりすぎていて躊躇した」「自宅の駐車場に入らないので諦めた」といった話を最近よく聞くようになりました。

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 確かに、モデルチェンジとともに車体を大きくするのは、室内空間の広さや快適性の向上、荷室容量アップなどを図るために最も合理的な手段です。また、近年は交通事故死者数ゼロ達成に向け、安全基準も年々厳しくなる一方。これをクリアするためにも、ボディサイズの拡大は避けられない状況と言えます。

 加えて、最近の日本市場では、インドやタイなどアジア諸国での販売がメインのモデルも少なくありません。生産拠点を海外に移し、逆輸入の体裁をとって日本で販売しているため、サイズが日本の道路事情にマッチしていないモデルが増えているという背景もあります。

 例えばスバル「フォレスター」のボディ寸法を見ると、1997年発売の初代モデルは全長4450mm、全幅1735mmだったのに対し、現行の6代目モデルは全長4655mm、全幅1830mm。約30年で全長は205mm、全幅で95mmも大きくなっています。

 また、2026年度に発売が予定されている注目の新型車も、大きなモデルが多い印象。トヨタ「ランドクルーザーFJ」は全長4575mm、全幅1855mm、日産「エルグランド」は全長4995mm、全幅1850mmとなっています。

 しかしデータだけを見て、「サイズが大きいから」と諦めるのは早すぎます。もちろん物理的に車庫に入らない場合は仕方ないですが、いくつかの注意点さえ押さえれば、大きなクルマを購入しても、意外に後悔しないものだと筆者は考えているからです。

「大きいクルマ」チェックすべき5つのポイント

 大きなサイズのクルマを検討する際にチェックすべきポイントは、主に5つあります。

最近の車「デカすぎて無理」「買い替えられない」諦めるのはまだ早い!? 巨大モデルを“許せる”5つの注意点とは?
実際に運転席に座ってみて、適切な姿勢を取れるか、死角は少ないか確認することが重要(画像:マツダ)

 1つめは、そのクルマの運転席で「適切なシートポジションがとれるか」です。これは基本中の基本なのですが、運転のしやすさは、ボディサイズの大小だけで決まるわけではありません。自分の体型に合い、視界や操作性に違和感のない運転ポジションが取れることも非常に重要なのです。

 逆に、ここで「どうもしっくりこないな」と感じたら、そのクルマはあなたに合っていない可能性が高いです。シートの形状、各部の調整幅の広さ、ハンドルの位置調整の可否のほか、足をまっすぐに伸ばした先にペダルがあり、姿勢がねじれることがないかなどを必ずチェックしましょう。

 適切な運転ポジションが取れるようなら、次は停車した状態で前後左右を見回し、「車両感覚がつかみやすいか(死角が少ないか)」をチェックします。特にボンネットの先端や、助手席側の下方、左右のミラーから見た後輪の位置など、実際に運転する際に把握が必要なところに、不安な要素がないかを確認しましょう。

 これは目視に限らず、俯瞰や後方からの映像といったカメラ機能を活用してもOK。ただし、カメラ映像は夜間や雨の日、雪の日などは見えにくくなることを考慮しておくことが大事です。

 3つめのチェックポイントは、自宅をはじめ頻繁に訪れる場所や周辺の「狭い場所での取り回し性能」です。クルマは一般的に、最小回転半径が5.5mくらいまでなら取り回しがしやすいと言われていますが、実際には5.5m以上でも運転しやすいクルマもあります。

 逆にこれ以下でも、「バンパーが出っ張っていて狭い場所で気を遣う」「ピラーが太くて死角が大きい」など、車種によっては固有の弱点を抱えていて、意外に運転しにくい場合もあるのです。

 可能であればバックで車庫入れをしてみて、まっすぐ駐車しやすければなお安心でしょう。ボディラインに抑揚があるモデルや、フェンダーが張り出しているクルマは平衡感覚がつかみにくく、まっすぐ停めにくいものです。また、利用している機械式立体駐車場などがある場合は、入庫できる車体寸法の上限も確認しておきましょう。

「大きさ」を活かすための注意点!

 4つめは、乗り降りのしやすさやバックドアの開けやすさ、シートアレンジの操作性といった「使い勝手の良好さ」です。

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せっかく大きいクルマを選ぶなら、室内や荷室の広さ、使いやすさは重視したい(画像:日産)

 大きいクルマを買うからには、やはり広い室内や荷物の積載性、快適性を期待するのではないでしょうか。期待通りの使い方ができそうかどうか、確認しておくことが大切です。試乗の際などは「室内やラゲッジが車体の割に狭い」「シート座面が高すぎて乗り降りが億劫」「子どもを抱っこして乗せたいのにステップが高すぎる」など、ちょっとしたストレスを無視しないようにしましょう。

 そして5つめは「燃費性能とタイヤサイズ」です。これは特に、初めて大きいクルマを買う人には必ず知っておいてほしいポイントです。ボディが大きくなれば、それだけ空気抵抗も大きく、車体は重くなっているからです。

 小さいクルマより燃費の面で不利なのは当然ですが、実際に乗り始めると、スピードを出したり多人数で乗ったり、荷物をたくさん積んだりすることが増えるでしょう。実用燃費は想像以上に悪くなりやすいのです。

 さらに、大きいクルマは室内が広いため、エアコンが効くまでに時間がかかるほか、適温を維持するのにもエネルギーを使います。夏場の燃費はより低下すると想定しておきましょう。加えて、大きいクルマはタイヤも大径であることが多く、タイヤ交換時のコストも高くなりがちなのは、覚悟しておきたいところです。

購入後に「やっておきたい」3つのコトとは

 さて、5つのチェックポイントをクリアし、晴れて大きなクルマを購入したら、ぜひやっておきたいことが3つあります。

最近の車「デカすぎて無理」「買い替えられない」諦めるのはまだ早い!? 巨大モデルを“許せる”5つの注意点とは?
大きなクルマは洗車も一苦労。コーティングなどを施工しておくのがおススメ(画像:PIXTA)

 1つめは、UVカットフィルムの施工です。大きいクルマはガラスエリアが大きいので、直射日光が入りやすく、眩しさと暑さの影響を受けやすいのです。サンシェードを買うのもいいですが、赤外線もカットしてくれるフィルムを選べば、ジリジリとした熱を防いでくれるうえ、エアコンも効きやすくなります。

 2つめはドアガードの装着です。ドアが大きいクルマは、狭い駐車場などでの乗り降りの際、隣のクルマや壁などに、ドア本体をぶつけがちです。貼り付けるだけの簡単なものなら数百円で売っているので、うっかりキズを付ける前に装備しておくと安心でしょう。

 最後となる3つめは、効果が長期間続くボディコーティングや、撥水・防汚効果のあるワックスの施工です。大きいクルマを自分で洗車するのはとても大変で、ルーフの中央などは、手が届かないことも。

プロに洗車を頼むのも高額なので、なるべく洗車の回数を減らしたいのなら、最初に施工しておくと手入れがラクになります。

 このように、大きいクルマは購入前の注意点や購入後に気を遣うこともありますが、なにより広々とした室内空間の快適性や、ロングドライブでの安心感といった、小さいクルマでは得難い魅力にも溢れています。ぜひいろいろとチェックして、自分にピッタリ合った大きいクルマと出逢ってください。

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