東武鉄道は2026年7月13日、東上線で約18年ぶりとなる新型車両90000系を森林公園検修区(埼玉県比企郡滑川町)で報道公開しました。今後、9月26日(土)から運行を開始する予定となっています。
90000系は、先頭部の上部が前方に出っ張り、下部が奥まっている「逆スラント形状」が特徴。これは東上線沿線における人や物流のルーツが荒川や新河岸川の舟運にあることにちなみ、「高瀬舟」に着想を得たデザインとなっています。車体の前面についた埃などが下に落ちやすい利点もあるそうです。
また、ドア窓が従来車より床方向へ大幅に拡大され、開放的な客室空間となりました。ドア窓の最下部は床から55cmの高さで、子供でも景色が見やすくなっています。
日立製作所のオールアルミダブルスキン構体を採用し、1両あたりの寸法は長さ20000mm(先頭車20470mm)、幅2780mm、高さ4108.3mm。VVVFインバータはフルSiC素子を用いており、編成形態は電動車4両・付随車6両の4M6Tです。既存の5000系と比べてモーターが付いた車両が減ったことで、保守コストの低減も図られています。
車体の大部分は無塗装ですが、先頭部と側面のドア部分だけ東上線の路線カラーであるブルーが配され、車号表記は50000系を踏襲したシャイニーオレンジとなっています。フリースペースがあるドアは、識別しやすいように色が変更されました。
外観だけでなく、車内も舟運をイメージしたインテリアデザインとなっています。袖仕切には立涌(池から水蒸気が立ち上る様子を図案化した日本の伝統模様)、床には枯山水、座席モケットには舟体をイメージした木目柄が採用されました。
東武の通勤型車両では90000系から、車内の日除けカーテンが廃止となりました。また、東武の通勤型車両で初となる、自動清掃機能付き空調装置用ロールフィルターを採用し、メンテナンスがしやすい車両となっています。
吊り手は東武の通勤型車両で初めて、高さが異なる2種類を1本ずつ交互に配置するタイプとなり、利用者の身長差にも幅広く対応可能になりました。
相鉄線への乗り入れは想定せず90000系は今後、東上線の池袋~小川町間だけでなく東京メトロ有楽町線や副都心線、東急東横線・みなとみらい線にも乗り入れることになります。相鉄線への乗り入れは想定しておらず、東急新横浜線の新横浜までは乗り入れが可能とのこと。
なお、デビュー時は地下鉄には直通せず、東上線のみの限定運用となる予定です。地下鉄への直通を開始する時期は現時点では未定だといいます。
東武鉄道は、2026年6月22日に公表した有価証券報告書で、東上線の車両更新に807億5800万円を投じる予定であることを明らかにしています。
内訳は東上線9000系の車両代替新造工事に147億7800万円、東上線10000系・30000系の車両代替新造工事に659億8000万円。90000系の車両代替新造は2029年3月まで、10000系・30000系の車両代替新造は2032年3月までとなっています。
最終的にはマルーンの帯を巻く9000系や10000系、30000系は90000系に置き換えられ、東上線の池袋駅に発着する車両は50000系と90000系に集約される予定。編成の中間に運転台を挟む車両は池袋口から姿を消すことになります。
50000系と90000系は車体の配色が大きく異なりますが、50000系の外装を90000系に合わせるような変更は、現時点では予定していないそうです。

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