大和ハウス工業<1925>が米国の戸建て住宅事業で、年間の引渡戸数目標1万戸の達成が見えてきた。
2026年3月期の引渡戸数は7776戸だったが、2026年5月に米国のユナイテッド・ホームズ(サウスカロライナ州)を傘下に収めたのに続き、2026年7月にホリデイ・ビルダーズ(フロリダ州)を子会社化したことで、直近の引渡戸数実績を単純加算すると1万18戸となるためだ。
1万戸達成が現実味を帯びてきた現時点では、海外事業や米国戸建て住宅事業について、将来を見据えた新たな数値目標は示されておらず、次期中期経営計画でどのような成長目標を打ち出すのかが焦点となる。
約1万600区画の住宅開発用地を確保
大和ハウス工業は、東海岸のスタンレー・マーチン、西海岸のトゥルーマーク、南部のキャッスルロックの子会社3社を通じ、M&Aを活用して戸建て住宅事業の供給エリアと事業基盤を広げてきた。
今回、3カ月間に2社を買収したのはスタンレー・マーチンで、同社は2017年のグループ入り後、戸建て住宅会社の事業譲受や株式取得を手がけ、事業エリアを7州17エリアまで拡大した。
ホリデイ・ビルダーズの子会社化は、スタンレー・マーチンによる戸建て住宅会社のM&Aとして7件目に当たる。
ホリデイ・ビルダーズは米国フロリダ州で戸建て住宅事業を展開しており、初めて住宅を購入する層や、初めて住宅を買い替える層など、幅広い顧客を対象に戸建て住宅を販売する。
また、フロリダ州内で約1万600区画の住宅開発用地を確保しており、小規模な用地取得から複数区画にわたるコミュニティ開発まで、幅広く手がけている。
売上高1兆円は1年前倒しで達成
大和ハウスグループは、海外事業の成長戦略として米国の戸建て住宅事業を拡大している。
同社が2022年5月に公表した2023年3月期から2027年3月期までの第7次中期経営計画では、2027年3月期に海外売上高1兆円、米国の戸建て住宅供給戸数1万戸を目標に掲げた。
海外売上高は2026年3月期に1兆284億円となり、目標を1年前倒しで達成した。一方、米国の戸建て住宅引渡戸数は7776戸だった。
スタンレー・マーチンが子会社化したユナイテッド・ホームズの2025年12月期の住宅引渡戸数は1192戸、ホリデイ・ビルダーズの2025年12月期の引渡戸数は1050戸だった。
これらを単純に加えると1万18戸となり、2027年3月期の1万戸目標の達成が見えてきたのだ。
同社は今後、既存市場での供給力強化に加え、新たな市場への展開を通じて、フロリダ州での事業拡大に取り組むとしている。
海外売上高比率は18%に上昇
大和ハウス工業が海外事業の拡大を進める背景には、国内住宅市場の縮小がある。
同社は2025年9月発行の統合報告書2025で、人口減少に伴う世帯数の減少などで国内住宅市場の縮小を「大きな課題」として挙げる。
一方、米国では人口が増えている地域の住宅需要は引き続き強く、事業機会は多いとみており、米国を今後の成長に重要な市場と位置付け、引き続き事業拡大に力を入れる方針だ。
海外売上高は2024年3月期の7059億円から、2025年3月期に9050億円、2026年3月期には1兆284億円へ増加した。
海外売上高が連結売上高に占める割合も、2024年3月期から2026年3月期にかけ、13.6%、16.7%、18.4%と上昇した。
中でも成長をけん引するのが米国戸建て住宅事業で、同事業の売上高は2024年3月期の4721億円から、2025年3月期に6078億円、2026年3月期には7810億円へ拡大した。
連結売上高に占める米国戸建て住宅事業の割合も、2024年3月期から2026年3月期にかけ、9.1%、11.2%、14.0%へ上昇した。
2026年3月期には海外売上高の約76%を米国戸建て住宅事業が占めた。
同社は2024年12月時点で、海外売上高比率を将来的に30~40%程度まで引き上げる方針を示していた。
こうした状況を踏まえると、次期中期経営計画でも米国戸建て住宅事業の拡大路線を継続する可能性は高いといえそうだ。
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文:M&A Online記者 松本亮一

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