「JFEエンジニアリング」最終処分場事業に参入、東環・セイフコ買収で静脈物流を拡充

JFEホールディングス<5411>傘下のJFEエンジニアリングが、産業廃棄物などの最終処分場事業に参入した。

2026年6月に、秋田県を中心に最終処分場事業を展開する東環(秋田市)と、山梨県、長野県で廃棄物の中間処理、収集運搬を展開するセイフコ(山梨県富士吉田市)の全株式を取得したことで実現した。

これにより、これまで取り組んできた廃棄物の収集、分別、焼却、リサイクルに加え、最終処分までを含めた静脈物流(使用済み製品や廃棄物を回収し、再資源化や処分につなげる物流)全体に、処理・サービスを提供することが可能になる。

JFEエンジニアリングは「今後もグループ一丸となって、持続的な成長と環境負荷低減の両立を通じて、循環型社会の実現に貢献する」としている。

秋田県内最大規模の処分場を新設

子会社化した東環は、廃棄物の最終処分場運営を手がけるほか、廃棄物の中間処理、収集運搬も行っており、2025年3月期の売上高は14億円だった。

一方、セイフコは、廃棄物の中間処理と収集運搬を手がけており、2025年4月期の売上高は16億円だった。

また、JFEエンジニアリングは今回の子会社化を機に、東環を通じ既設処分地の隣接地に、管理型最終処分場を新設する計画で、2030年度の操業開始を予定している。

処分場の埋め立て容量は316万立方メートルで、完成すれば秋田県内最大規模となる。

同処分場では、燃え殻、汚泥(有機汚泥を除く)、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くずなどの産業廃棄物と、焼却灰、溶融固化灰、無害化処理後のばいじんなどの一般廃棄物を受け入れる。

地域との信頼関係を基盤に、平時の廃棄物の最終処分に対応するほか、災害発生時には迅速な支援ができる体制も検討するとしている。

国内廃棄物処理市場では、廃棄物の収集運搬、中間処理、再資源化、最終処分などを手がける事業者が合計で10万社を超える。

小規模事業者の割合が多いのに加え、資源循環の高度化に対応する投資負担が増す情勢にあり、業界再編の機運が高まっている。

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リサイクル網確立へ再編継続

JFEホールディングスは鉄鋼、エンジニアリング、商社の3部門で事業を構成する。

エンジニアリング部門は、JFEエンジニアリングと関係会社が、エネルギー、都市環境、鋼構造、産業機械などに関するエンジニアリング事業、リサイクル事業、電力小売事業を手がけている。

JFEホールディングスの2026年3月期の売上収益は4兆5392億7000万円(前年度比6.6%減)、税引き前利益は874億1700万円(同39.4%減)だった。

同期の売上高構成比は鉄鋼部門が60.7%、商社部門が26.4%で、エンジニアリング部門は12.9%を占めた。

「JFEエンジニアリング」最終処分場事業に参入、東環・セイフコ買収で静脈物流を拡充
JFEホールディングスの売上高構成比

JFEホールディングスは、2025年5月に公表した2028年3月期を最終年とする3年間の中期経営計画で、エンジニアリング事業について、多様な事業によるポートフォリオを強みに収益基盤を強化しつつ、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現を通じて事業を拡大する方針を示した。

国内リサイクル事業では、廃棄物最終処分場を含めたリサイクルバリューチェーン(廃棄物の収集、処理、再資源化、最終処分までの一連の流れ)の確立と、プラスチックリサイクル事業の拡大を目標に掲げた。

同中期経営計画では、前中期経営計画期間にエンジニアリング事業で環境プラント会社、化学プラント会社を買収し、国内水エンジニアリング事業を統合するなど、業界再編を推進したとしている。

今後は、安全安心なインフラ・サービスを提供できる業界構造改革を主導し、国際競争力も高める方針だ。

リサイクルバリューチェーンの確立や、業界構造改革を進める中で、今後もM&Aを活用する場面が続く可能性がある。

文:M&A Online記者 松本亮一

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