高校時代にメガネをかけ始めて、はやン十年。
10代、20代の頃は視力の変化も激しかった上に、うっかり自分で踏みつぶしたりといった粗雑さも加わって、今よりも頻繁にメガネを作っていたように記憶している。


そんな私も年齢を重ねるごとに多少は扱いもよくなり、現在使っているメガネは8年目を迎えた。心なしか、ちょっと見づらくなったかも、と思いつつ、まだ見えるからいいや、と使っているけれど、さすがに8年は長過ぎかな? と買い替えを意識しながらいろいろ調べていると、「中近レンズ」「近近レンズ」「パソコン用レンズ」というあまり聞きなれないレンズがあることに気がついた。

「遠近両用」というのは知っているけれど、これは一体なに?
メガネレンズを専門に扱うという、フレームのないメガネ店「れんず屋」さんに話を気いてみた。

「『中近レンズ』、『近近レンズ』は共に基本的には老眼鏡です。通常の老眼鏡は30~50cmの範囲しか見えませんが、『中近』はさらに3m~最大5mくらい見え、手元の作業からオフィス内も見渡すことが出来ます。遠近よりも中間帯の視野が広いので、パソコン作業などにも向いています。
『近近』は通常の老眼鏡(30~50cm)よりも少し遠く、最大1m位が見え、パソコン向きです。老眼鏡の進化系で、ワイドレンズという通称で呼ばれることもあります」と代表の古屋さん。

これらのレンズは最近開発されたものなの?

「いえ、『中近レンズ』はすでに20年前(SEIKO)からありましたが、ほとんど知られていませんでした。従来の老眼鏡では遠くが見えないため、メガネをずり下ろす鼻メガネや、メガネを取り外して対応される方が多かったので、その解消としてこれらが登場したんです。その後、この10年でパソコンが普及し、従来の遠近両用ではPC作業がしにくい、といったことから知られるようになりました」

では、遠くも近くも見える『遠近両用』との違いは?

「実は『遠近両用』はあくまでも遠用メガネのカテゴリーに入るので、遠くはよく見えますが手元と中間の視野が狭く、パソコン作業には向かないんです」

なるほど。
屋外では遠近両用、室内では『中近レンズ』、デスクワーク時は『近近レンズ』、という風に使い分けることでより快適に見ることができるという。


れんず屋さんのウェブサイトには『遠近両用』、『中近レンズ』、『近近レンズ』の見え方のイメージ画像があるので気になる方はこちらを。

メガネをかけかえるのは、「老眼きちゃったよ!」という中高年以降と思いがちだけど、若い人でもメガネは使い分けた方がいいのだろうか?

「車の運転とパソコン作業では焦点距離が全く違います。結論としては年齢に関係なく、使い分けをお勧めします。中高年以降は、そうせざるを得ない状況ですね」と古屋さん。

うっ、微妙なお年頃(苦笑)の私の場合は後者か?

ところで、気になる老眼鏡が必要になる年齢は?

「小さいものは見ない、読まない、遠く離して見るなどの無理をすれば、延長できますが、一般的には45歳以上は全員対象でしょう」

老眼は個人差はあるものの全員がなる。ただ、近視の場合はもともと近くを裸眼で見ることが得意なので、老眼鏡がなくとも度数の弱いメガネをかけたり、メガネを外すことで対応できるそう。


最後に、同じメガネを8年使用していることについても聞いてみた。

「プラスチックレンズの寿命は通常、1年半~2年です。プラスチックレンズの場合、傷もなく一見きれいに見えていても、クラック、歪み、紫外線経年変化といったレンズの劣化は避けられません。お使いのレンズがプラスチックであれば交換をお勧めします。ガラスでしたら3~5年は十分対応出来ます。傷がなく、度数変化がなければ8年使用でも問題ないです」と古屋さん。


私の場合、どうやら真剣に作り直しを考えなきゃダメなようです。
(こや)

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