バルタン星人が店長をつとめる「帰ってきた怪獣酒場」が大盛況、「アミュプラザ博多」の広告にウルトラの母やピグモンがモデルとして登場するなど、『ウルトラマン』シリーズのキャラクターたちの活躍ぶりがめざましい昨今。

そんななか、昨年オンエアされ話題を富んだのが、ウルトラ怪獣たちによる街ぶら番組『ウルトラ怪獣散歩』(フジテレビONE)。
すでにDVD化もされているが、トボけたザラブ星人、メフィラス星人、ダダの3怪獣による寅さんの舞台・葛飾柴又や相撲の聖地・両国の名所紹介あり、グルメレポあり、まさかのウルトラファイト(?)ありと、意外なコンテンツが満載で飽きさせない。

そしてこの3怪獣の声はお笑いトリオの東京03が担当。彼らのコントを彷彿とさせる独特の間合いで街の見どころをレポートしたり、撮影許可が下りなかったロケを振り返って「お寺に神社 大抵 怪獣NG♪」などとぶっちゃけるエンディング曲「ウルトラ怪獣散歩のテーマ」もメフィラス星人(角田晃広)が歌ったりと大活躍している。

あのウルトラ怪獣が“街ぶら”!? トボけた雰囲気も魅力の『ウルトラ怪獣散歩』に注目
5月放送の『ウルトラ怪獣散歩』では、おなじみのメフィラス星人(左)に加え、ゲストで『ウルトラセブン』のメトロン星人(中央)、『ウルトラQ』のケムール人(右)が登場!


この番組が5月22日の放送分(初回24:00~)よりレギュラー化! またフジテレビ地上波(関東ローカル)でも5月20日深夜26:25より特別版のオンエアが決定している。気になる番組作りの裏側を、プロデューサーの門澤清太さんにうかがった。

――ウルトラ怪獣たちが街に飛び出してゆる~くレポートする内容がウケていますが、どんな経緯で番組がスタートしたんでしょうか?
「CS放送『フジテレビONE』で初代『ウルトラマン』の放送をスタートする際に、ただ過去のコンテンツをオンエアするのではなく、そこに新しい価値を生み出せないだろうか?と思い企画を探していたところ、タイミングよく特撮好きのスタッフからベースとなる企画が上がってきたんです。
そこから円谷プロダクションさんとコンテンツ化に向けてディスカッションを進め、この形になりました」

――シリーズ全体を通すとかなりの数がいるウルトラ怪獣の中で、番組に登場するザラブ星人、メフィラス星人、ダダ(5月放送分にはゲストで『ウルトラセブン』のメトロン星人や『ウルトラQ』のケムール人も出演)の3怪獣が選ばれたのはなぜですか?
「まずは話すことができる怪獣(星人)から、ということと、初代ウルトラマンからという縛りで選出しました。あとは見た目のインパクトでしょうか。“ウルトラ好き”にとっては、特にメフィラス星人が圧倒的に知性が高く地球への侵略方法が暴力的でないので、特別な存在だということもあります」

――今回、怪獣たちの声を担当するのが東京03の3人ということも話題を呼んでいますが、どんな流れでオファーが決まったんでしょうか?
「フジテレビのCSでは2007年から東京03の単独ライブを毎年独占放送させてもらっているんですが、その放送のプロデューサーを僕がやってまして、この企画の話が出た瞬間に『絶対この3人しかいない!』と。実際に昨年の単独ライブ『あるがままの君でいないで』を観劇した直後に確信したので、その場でマネージャーさんに出演交渉しました。1時間番組なのに、初回のアフレコには6時間かかって苦戦していましたね。でも、徐々に3人もコツをつかんで、イメージ通りの素晴らしい作品になりました」

あのウルトラ怪獣が“街ぶら”!? トボけた雰囲気も魅力の『ウルトラ怪獣散歩』に注目
「“通”はまず、そばの香りを楽しむんですよ?」などと、味やマナーには意外とうるさい怪獣たちによるグルメレポート。果たして今回のメニューのお味は……?


――3怪獣とも目立つので、実際の番組のロケ中にはかなり騒がれたのではと思うのですが、ロケ中のエピソードで印象的だったことは?
「二度見率100%! 初めてのロケ地は両国駅だったのですが、見かけた方のTwitterでのつぶやきが瞬く間に拡散されて、ロケ当日にニュースサイト『ハフィントンポスト』で取り上げられるという事態になりました。
あと、現場では近くで見たい親御さんとおびえるお子さん、という構図が発生していましたね(笑)」

――レギュラー化の初回(5月22日~放送)の見どころはどんなところですか?
「初回は鎌倉を探訪しているのですが、『鳩サブレー』でおなじみの豊島屋の本店ですとか老舗のわらび餅のお店、さらに今若者たちに“裏小町通り”と呼ばれているおしゃれなエリアなどを訪ねています。そして、これまで神社仏閣でのロケはたいてい断られてきたのですが、今回は果たして鎌倉のシンボル・鶴岡八幡宮に入ることができるのか?が見どころですね」

――今後怪獣たちを歩かせたいと思っている場所や、こんな体験をさせてみたいというシチュエーションはありますか?
「都内近郊に限らず、地方都市や海外にも行ってみたいですね。ただ、お散歩番組は基本的に低予算番組なので……どこか怪獣たちに散歩してもらいたいという自治体や施設があれば是非!!!」

最後はお願い(?)されてしまったが、テレビなどでよく見かける定番観光スポットも、彼らがレポートすることで一周まわって面白くなるのがこの番組ならではの妙味。今後もおトボけな怪獣たちによる全国津々浦々のレポートを期待しよう!
(古知屋ジュン)