中国河南省焦作市温県で13日に発生したディーゼル油の窃盗事件で、警察の追跡を受けた容疑者グループが、路面に鉄くぎで作った金属針をまいて逃走したことが分かった。警察車両16台がパンクした。
中国新聞社が報じた。

 温県警察は13日午後9時33分、タンクローリーからディーゼル油を抜いて盗んでいるグループがあるとの通報を受けた。警察は一味を捕らえようとして、周辺地域に警察車両を配備した。

 同日午後10時16分、警察は窃盗容疑者らが乗っているとみられる自動車2台が、ガソリンスタンドに入ったことを確認。身柄を拘束しようとしたところ、1台からは容疑者が降りて逃げ出した。もう1台は給油中だったがそのまま発進して逃走した。


 逃走した車は警察車両に行く手をはばまれ、いったんは停止した。警察官多数が下車して容疑者を取り押さえようとしたところ、自動車は急発進し、Uターンして改めて逃走した。

 警察官は改めて警察車両に乗車して逃走する自動車を追い始めたところ「アクセルを踏み込んで追跡しようと思いましたが、見る見る速度が落ちてしまった。逃走する車両ははるか前方に遠ざかっていきました」という。

 道路には鉄くぎで作った金属針がまかれていたため、パンクしたと分かった。容疑者が逃走しながら金属針をまいたという。
警察車両16台がパンクした。

 逃走した乗用車は、しばらく離れた南張羌村東で、たまたま路肩に積み上げていた土に乗り上げて走れなくなった。容疑者3人は下車して、周囲のトウモロコシ畑に逃げた。警察は約1時間後に、容疑者1人を取り押さえた。

 つかまった容疑者は22歳の男で、仲間5人と組んで周辺地域でタンクローリーからディーゼル油を抜き取る窃盗を繰り返していたと認めた。(編集担当:如月隼人)