TETSUYA(L’Arc~en~Ciel)UFO目撃体験から生まれたSF的詞世界/インタビュー前編

TETSUYA/7月18日にEP『I WANNA BE WITH YOU』をリリース


前シングルから約1年ぶりに、自身初のEP『I WANNA BE WITH YOU』をリリースするTETSUYA。夏をコンセプトに、表題曲の「I WANNA BE WITH YOU」や「READY FOR WARP」といった、TETSUYAの真骨頂であるポップに煌く爽快なキラーチューンを収録。
さらには、ひんやりとしたホラーの質感を湛えるダークな「FATE」、降り注ぐ光のように心を浄化してくれる魔法の曲「Eureka」と、全4曲の新曲を世に放った。ボーナストラックでは「wonderful world」(2001年のソロデビュー曲)のアコースティックバージョンで優しい声を響かせており、ヴォーカリストとしての表現の深化も味わえる。UFO目撃体験にインスパイアされたこと、曲作りのプロセスについてなど尋ねるうちに、創作においてTETSUYAが大切にしていることが浮かび上がってきた。
(取材・文/大前多恵)

歌詞にSF的なワードがこんなに出て来たことは、今までないかもしれない

――1st EP『I WANNA BE WITH YOU』を聴かせていただいたのですが、いい曲ばかりで……。

TETSUYA:本当ですか? もっと言ってください(笑)。

――(笑)。前シングル『愛されんだぁ I Surrender』から約1年、今作はシングルではなく初めてのEPという形にしようと思われたのには、どういう経緯があったのでしょうか?

TETSUYA:最初はレーベル側からの提案だったんですけど、シングル、シングル、シングルという流れではない、変化球を投げたかったんだと思います。僕はいっぱいストックを持っていて、アルバム2枚作れるぐらいの曲数はあるんですね。だから僕としても、「EPもいいかなぁ」と思って。ストックはデモの状態のものしかないですから、そこから収録する楽曲を決めて、歌詞もレコーディングの直前に書いてアレンジも煮詰めて、という作業の流れでした。

TETSUYA(L’Arc~en~Ciel)UFO目撃体験から生まれたSF的詞世界/インタビュー前編

――リード曲「I WANNA BE WITH YOU」は、躍動感があり、光に向かって進んで行くエネルギーを感じる曲です。どのようにして生まれて来たのですか? 

TETSUYA:デモを作ったのは結構前なんですけど、いろんなタイプの曲を作ってきているので、「今までの曲とかぶらないように」と心がけて作っていきました。
最初から「夏っぽい曲だな」と思いながら作っていましたし、仮タイトルも「SUMMER」、もう、そのまんまでした。

――雲一つないような青空が、音からもイメージされます。

TETSUYA:そうですね、カリフォルニアの青空が似合う曲じゃないですかね? 僕、サーフィンは日焼けするからやらないんですけど、サーフ系のインテリアやファッションは大好きなんですよ。仕事の時はわりとロックっぽいファッションをしてますけど、普段はサーファーみたいな恰好をしています。僕、究極の丘サーファーですから(笑)。

――では、TETSUYAさんの普段の姿、素の部分が表れた曲と言えそうですね(笑)。アレンジ面では何をポイントにされましたか? 夏らしいキラキラ感が溢れていますが……。 

TETSUYA:そう、僕の大好きなキラキラ感と、歪んだリフでイントロからもうパンキッシュにしたかった。アメリカのパンクバンドが好きなので、そういう感じが出ている曲ですよね。

――歌詞についてお聞きしますが、<奇跡は空から降ってくる>とか<前から知っていたみたいさ>とか、自分という存在を超えた何かしらの大きな力を感じさせるようなフレーズが出て来ます。こういった発想はどこから生まれて来たんでしょうか?

TETSUYA:あの……僕がUFOを見たのはご存知ですよね? 

――えっ、UFOですか……!? いつ頃でしょうか?

TETSUYA:昨年の秋に、東京のど真ん中でUFOの撮影に成功したんですよ。その映像を矢追純一さんに鑑定していただいたら、本物だとお墨付きもいただいて。
UFOを見てから人生観が少し変わったかな、と思います。

――そして、それが歌詞に出ている、と……?

TETSUYA:出ていますね。空から降ってくる、とか。「READY FOR WARP」のほうは、モロにそういう感じですね。

TETSUYA(L’Arc~en~Ciel)UFO目撃体験から生まれたSF的詞世界/インタビュー前編

――「READY FOR WARP」はタイムトラベルや輪廻転生のイメージが浮かび、<生まれる前から決まっていたみたい><宇宙から僕を見ていたの?>といったフレーズから、壮大なラブストーリーのようにも聞こえる歌詞だな、と感じました。

TETSUYA:そうなんですか? それはもう、自由に聴いていただければいいので。ただ、僕自身はやっぱり、UFOを見たことがきっかけでこういう歌詞が出て来ていると思いますけどね。僕がUFOを見たこと、信じてないですよね……?(笑) 映像を見てもらったほうがいいかもしれない。

――(※TETSUYA公式Instagramに投稿された、2017年12月21日の動画を確認)。この大群が全部UFOなんですか!?

TETSUYA:はい、全部そうです。肉眼で見たらもっとすごかったですよ。形はスクエアで、一個一個大きさや色が微妙に違うんです。
僕はビルフェチなので、新しく出来たビルを「あぁ、完成したんだ」と思って見上げていたら、ちょうどこれが見えたんです。「ドローンかな?」と最初は思ったぐらいハッキリ見えて、「でも、この場所はドローンを飛ばせないし、あの数はあり得ないな」と。ずっと「UFOを見たいな」とは思っていましたけど、実際に見たのは初めてで。SF好きだった少年がやっと本物のUFOを見た、という話です(笑)。我々の世代の男の子はみんな好きだと思いますよ。歌詞にSF的なワードがこんなに出て来たことは、今までないかもしれないですね。

――Music Clipは、パラレルワールドというコンセプトに基づき、「I WANNA BE WITH YOU」と「READY FOR WARP」の2曲を同じカット割りで撮影する、というユニークな試みをなさっています。この企画は何が発端だったのでしょうか?

TETSUYA:インタビューの最初に、「全部いい曲ですね」とおっしゃっていただいたじゃないですか? 実は僕もそう思っていて(笑)、1曲だけのビデオではちょっと寂しいから、なんとかしてもう1曲撮れないかな?と。タイトル曲は「I WANNA BE WITH YOU」だけど、「READY FOR WARP」もシングルとして成り立つようなキラーチューン曲だし。

――たしかに、両A面的だと思いました。TETSUYAさんの曲への熱い想いが出発点になっていたんですね。

TETSUYA:はい。
それで、監督(※L'Arc~en~Ciel の「Link」なども手がけた野田智雄氏)と打ち合わせする中で、フラッシュアイディアとして僕がパッと思いついたことを言ったんですよ。パラレルワールドという設定にして、同じ場所で、衣装だけちょっと変えて、Aの世界とBの世界の違う人、という2人を僕が演じて。そうすれば時間も予算も限りなく1曲分+アルファで2曲撮れるんじゃないの?という話をしたのをきっかけに、決まっていきました。

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――2つの世界がリンクしていることを示す仕掛けがいくつかあって、あれこれ探すのも楽しいので、繰り返し何度も観てしまいました。

TETSUYA:僕の好きな映画がネタとしててんこ盛りになっているので、探して当ててみてください!

――3曲目の「FATE」はエレクトロでヘヴィーなロックチューン。ダークさがEP全体におけるアクセントにもなっています。

TETSUYA:夏コンセプトの曲を集めようとした中で、「全部が同じような色になり過ぎてもなぁ……」という想いがあったんですよ。夏と言えばホラーなので、ちょっと恐怖を感じるような曲も1曲入れようかな?というところで、「FATE」を選びました。

――ところどころシャウト気味になるなど、歌唱法もかなりアグレッシヴに感じました。どんなことを心がけて歌われたのですか?

TETSUYA:レコーディングの時はもう、「綺麗に録音しよう」ということだけですね。「こう歌おう」とか、決めていないです。僕の場合は、一つ一つ丁寧に仕事をこなしていく職人タイプなので、頭で先には考えないですから。
レコーディングというのはやり直しが利くものなので、歌って録って聴いてみて、しっくり来れば次に進めばいいし、そこでしっくり来なければしっくり来るまで歌い直して、録り直して。その作業を繰り返して最終的にすべてOK、となるところまでの作業を淡々とやるだけですね。

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