EXILEなどのダンスユニットの活躍もあって、ここ数年ダンサー志望の若者たちが増えている。実際、大手レコード会社系列のダンススクールには多数の受講者が通い、高額の月謝を払って「発表会」や「オーディション」に備えているという。
「子ども向けのダンススクールが一般化したのは10数年前。そのころ小学生だった子どもが大人になり、プロのダンサーを目指すケースが増えてきました。しかし、プロのダンサーになれるのはごく一部。『大手レコード会社Aのダンススクールに入れば、オーディションに有利』といった情報が飛び交い、結局は親がかりで多額の受講料を払っている生徒が大半です」(音楽スクール関係者)
近年、ダンサーをマネジメントする音楽・芸能事務所も増え、さまざまなオーディションを催している。あるオーディションで合格し、中堅プロダクションに所属している女性ダンサー(21)が内情を話す。
「一応スカウトされて事務所に入りましたけど、特に仕事があるわけではないです。
歌手やダンサー志望の女性がキャバクラで働くのは定番であるが、最近では「レッスン時間の妨げにならない」との理由で、デートクラブ経由で"愛人"を探すケースも増えているようだ。
「私の周囲でも、複数のスポンサー(金払いのいい年上男性)を持っている子が何人もいますよ。スポンサーを持った方がいい、と事務所から暗に勧められた子もいます。発表会イベントに金持ちそうなオジサンが恥ずかしそうに来ているので、『あの子のスポンサーだな』とだいたい分かりますね(笑)」(前出のダンサー)
男性ダンサーの場合はもっぱら肉体労働が中心で、レッスン時間を捻出するため、短期バイトに従事するケースが多いという。もっとも、そうした努力が実を結びにくい業界事情もある。
「自社系列のダンサーを使い回しているA社が典型ですが、一部の有名・実力派ダンサー以外は交通費程度のギャラが出ればいい方です。ダンサーで飯が食えるのはEXILEのような人気グループのメンバーになるか、ダンススクールの講師に納まるか、二つの道しかありません」(前出のスクール関係者)
華やかなステージとは裏腹に、なかなか厳しい世界のようである。
(文=市場葵)
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