DMMの代表取締役社長、松栄立也提督インタビュー後編。「艦隊これくしょん」(艦これ)について聞いていきます。
まずは気になる「課金」。前編はこちら

■課金してますか?

松栄 自腹で課金してますよ。最初、建造がよくわからなくて、全部999で回してたら、あっという間に資材が尽きた……。今でも覚えてる。一番最初に建造したら「4時間20分」って出て、俺はマジで怒ったんですよ。
――えっ、大当たりじゃないですか!
松栄 なんにも知らなかったからね。
「なんだこのゲームは!? いきなり四時間以上も待たないといけないのか!」。今考えたら大当たりなんだけど、一発目で加賀が出た。で、調子乗って建造しまくっていたら、あっという間に資材がなくなった。「……仕方ない、課金するか」って。で、自腹課金がそこから始まったの。レシピなんて知らないから、全部999で回す。
一回建造するのに500円くらいだから、高いガチャって感じ。それで18分とか20分とか出たときの敗北感ね……。
――入渠ドックは開放してますか?
松栄 してますね。あとは、間宮もバンバン使ってた。疲労って時間経過じゃなくて、間宮でしか回復しないと思ってて……。今から思い返すと信じられない使い方してたなあ。
「赤色になった! 回復に一回五百円!? たけー!」。そんなこんなで、八月から九月までで十万使ってしまって。
――桁が違う。今もそんなに課金しているんですか?
松栄 もうあの頃には戻りたくない(笑)。999で回すなんてことをしないでレシピ調べてやっているし、任務もこなしているから、そんなに課金してないです。秋イベントのときも、武蔵の改が一刻も早く見たくて資源を買ったくらいかな。


■「そんなに課金しなくていい」

松栄 俺の周りだと課金してる人は半々くらい。してたとしてもドック二つの二千円くらいかな。資源より、むしろ家具に課金している人のほうが多いかもしれない。
――ちゃぶ台とか欲しいですもん。
松栄 コンシューマーゲームだと、パッケージで7千円とか8千円とかするじゃないですか。もともと、「そのくらい使ったらだいたい何も課金することがない」っていう設計なんですよ。
基本的には重課金は生まれづらい。そんなに課金しなくていいんですよ。ドック二つ開放していただければ十分です。
――その課金モデルは、DMMさんと角川さん、どちらから伝えたんですか?
松栄 具体的な課金モデルについては、企画を練って行く中で今の形に落ち着いたと聞いていますね。
――これだけヒットすると、DMMの他のコンテンツにも影響があるような気がします。
松栄 ちょっとずつ影響は出てますね。
DMM.comのPCサイトのコンテンツが活性化しています。艦これでサイトにやってきて、他のコンテンツにもユーザーさんが流れてるっていうのが顕著です。

■アナログの強さ

――今後、どの艦娘に改二が実装されるのか教えてください!
松栄 こっちが知りたい……。「次、何が改二になる?」って聞いても、「そんな不公平なことは教えられません!」と断られちゃう。でも、そこが面白いっちゃ面白い。次に何があるかわかってたら、そこまで熱中してなかったかもしれない。艦これの今後の展開は、皆さんと一緒にTwitterで追いかけている(笑)。
――楽しみですね。ところで社長はゲームだけじゃなくて、アニメとかも見るんですか?
松栄 見ますよ! 今期一番は『宇宙戦艦ヤマト2199』かな。『2199』のヤマトは、ビームと実弾を撃ち分けられるんだよ。で、冥王星で反射衛星砲の基地を壊す時に、三式弾が出てくるの。それも遅延信管で爆発! 感動した……。あと、ラストがちょっと変わってるんですよ。ネタバレになるから詳しく言えないけど、IT業界全体に対するアンチテーゼだと思った。「アナログ的なものが強いんだ!」。IT業界でも、結局仕事をする相手は実際に会って仲良くなった人だったりね。
――松栄社長はfacebookも活用してますよね。
松栄 facebookで連絡をとりあって会うことが増えました。このあいだは「3Dプロジェクションマッピングに興味あるから、誰か紹介して!」って書いたら、東京駅でプロジェクションマッピングした人の知り合いが紹介してくれて、三日以内に会うことができた。スピード感がすごいです。艦これの始まりもそうだけど、最終的にはリアルやアナログ的なつながりが仕事につながるんですよ。
(青柳美帆子)