新たな何かが始まり、くじけそうになることも多いこの季節。がむしゃらになるのってなんだかダサイし、失敗したらカッコ悪いし、まぁそこそこな感じでいいかぁ…なんて思ってしまうこともある。
でも、目標に向かって必死でがんばることや、がむしゃらにやり切って全力で喜ぶことは、はたから見ていてものすごくカッコいいこと。3月に発売された関ジャニ∞のコンサートDVDから、そんな熱いメッセージが伝わってくる。色々と大変なこの春にガンガン見たい作品かもしれない。

2011年11月~2012年を迎えるカウントダウン公演まで、計47万人を動員した関ジャニ∞のコンサートツアーが映像化された。「KANJANI∞ 五大ドームTOUR EIGHT×EIGHTER おもんなかったらドームすいません」初回限定盤DVD通常盤DVDBru-lay Disc盤の計3種)。札幌・福岡・東京・名古屋・大阪を計10公演でまわった、関ジャニ∞にとって初の5大ドームツアーだ。


「5大ドーム」。今年デビュー8周年イヤーを迎えた関ジャニ∞にとって初めてのその響き。努力を重ね、ようやく達成したその嬉しさが大爆発したツアーとなった。

ビジュアルや構成などに大きくかかわる今回のツアーコンセプトは、「野球」。初回盤DVD収録のメイキング映像で、発案者の錦戸が照れくさそうに語る。「ドームって全部野球場じゃないですか。
初めての5大ドームツアーだから、野球絡められたらいいなぁと思って。で、プレゼンしてみんなに見して。キャップも、どうせ野球でやるなら作ろうって結構前から言って、作ってもらいました。僕の思いつきから言ったのがどんどん大事になっていってどうしようって途中焦りましたけど、でも、いいんじゃないですかたまには」

映像として形にするために錦戸が相談したのは、映画監督の中村哲平。2010年、関ジャニ∞主演で制作された短編映画「8UPPERS」の監督だ。そうしてできた、ショートムービーのような大迫力のオープニング映像。
今ツアーと同時期に公開されていた映画「ワイルドセブン」出演のために中型・大型免許を取得した丸山がバイクで登場するなど、メンバーの個性がおおいに生かされ、「キャーッ!」としびれた後に「ギャハハ!」と爆笑できる、関ジャニ∞を知り尽くした中村監督だからこその内容だ。メンバーがそれぞれの方法で野球場に向かい、野球場に登場し、ユニフォームに着替えてグラウンドに向かうところで映像は終了し、メンバーの登場となる。

登場時メンバーが着ている野球ユニフォームは、ファンが購入できるグッズTシャツも同じデザインとなり、キャップも販売され、ペンライトはメガホン型。

各会場でのジャニーズJr.の衣装もある意味ものすごいオリジナリティである。衣装というか、それぞれのドームを本拠地とする野球チームのユニフォームをそのまま着ているのだ。私がこのツアーで初参加した東京ドームで、ジャイアンツ姿のJr.たちが踊りながら出てきたときは「えーっ!」と声を出して笑ったものだ。
もちろん、札幌ドームでは日ハム、福岡ドームではソフトバンクホークス、ナゴヤドームではドラゴンズ、大阪ではオリックス。

ポップでカラフルなツアーパンフレットには、「TOKEIDAI(時計台)」「TEBASAKI(手羽先)」など、観光地やグルメなど各地のご当地ネタをばんばん羅列、全国を旅しているかのようなフォトブックに。コンサート中には、「祝優勝」(福岡)、「109」(東京)、「天むす」(名古屋)、などとその土地にちなんで毎回違う文字を背中に貼りつけたり。初回盤DVDパッケージも、ドームの丸い天井をイメージしてちょっとふくらんだ“ぷっくり仕様”。「5大ドーム」という響きに酔いしれている感がすごい。そしてその徹底っぷり。
5大ドーム制覇の嬉しさが隠しきれずにたれ流しな感じが、飾らず等身大な彼ららしい。

一方曲構成は、震災後初のツアーだということがすごく意識された、2011年らしいつくりだ。“明日へと一歩踏み出そう”“ありふれた日常にありがとう”そんなメッセージ性の強い曲を、一曲目とラストに構成。メンバーが集まり何度も話し合いコンサートができあがるまでの様子は、初回盤DVDに230分以上の長編でメイキングとして収録されている。「メイキングびっっくりするほど長いねん。ライブより長いメイキングってどういうことやねん?!でも自分で言うのもなんやけど、めっちゃおもしいからやめ時がないねん。
寝る前に見始めて、結局朝方で、寝不足や。見る日は気をつけて!」と渋谷すばるは注意喚起しているが、本当にその通り。(レギュラーラジオ「関ジャニ∞渋谷すばるのスバラジ」(NACK5)にて)。ただこの長いメイキングを見た後に再度本編を見直すと、より感情移入できてこれまた気持ちがいい。

2002年にグループ結成、錦戸亮の連ドラ出演などがきっかけとなり東京進出するまで約6年。下積み時代、大阪でくすぶった時期が長い彼らだからこそ、彼らにとってもファンにとっても、東京進出、全国進出への想いは強い。こんなにも「やれて嬉しい!」気持ちが伝わってくると、「おめでとう!次も頑張ってよね!」と自然とエールの言葉が出てくるものだ。何度も言うけど、がんばる姿ってすごくカッコいい!

今年、関ジャニ∞「(エイト)」の「8」周年。彼らだからこそできる盛大な8周年。全員出演のドラマ「パパドル!」も放送スタートを控えていて、さらに昔からコンサートのワンコーナーで披露していた戦隊キャラクター「エイトレンジャー」も映画化決定。公開日は7月28日(なにわ)!今年ますます、関ジャニ∞の活躍から目が離せませんっ!(夏トマト)