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オードリー若林が1人でキューバを旅した理由『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』

2017年7月20日 09時30分 ライター情報:井上マサキ
2016年夏。オードリーの若林正恭は5日間の夏休みを海外で過ごすことにした。同行者はゼロ。初めての海外一人旅。航空券もホテルも自分のスマホで予約して、向かう先はキューバ。羽田空港から離陸する国際線のGを感じながら、若林は願う。

「5日間、この国の価値観からぼくを引き離してくれ。同調圧力と自意識過剰が及ばない所までぼくを連れてってくれ」(P.40)

『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』は、若林がキューバで過ごした5日間を記録した書き下ろしエッセイだ。
若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』(KADOKAWA)。表紙の写真は若林が撮影したもの。観光客にエサを媚び、死んだように寝る野良犬に自由と気高さを感じた、と語る。

20代のお前、残念だったな!


そもそもなぜキューバだったのか。「アメリカとの国交が回復して、今のようなキューバを見られるのもあと数年だから」というのは建前の理由。きっかけは若林が1年前から雇っている家庭教師だった。時事問題に疎い若林は、東大の大学院生にニュースを解説してもらっていた。

家庭教師の講義のなかで「格差社会」「超富裕層」について聞いた若林は、「新自由主義」という言葉を知る。勝ち組。負け組。競争を強いられるシステム。売れない20代のころ、世間と自分を比べて鬱屈していた時間は、誰かが作ったシステムの上の出来事に過ぎなかった。宇宙や生命の根源の悩みだと思ってたのに。なんだ、そんなことだったのかよ!

「僕は家に帰って自分の著書『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』を取り出し、『おい、お前の悩みは全部人が作ったシステムの中でのことだったぞ。残念だったな!』と言葉をかけた後、ひとつの儀式としてゴミ箱に捨てた」(P.33)

では、他のシステムで生きている人間はいったいどんな顔をして暮らしているのか? この目で見ないと気が済まない。そこで選ばれたのが社会主義国のキューバだった。トロントを経由して15時間半のフライト。深夜のホセ・マルティ空港に降り立った若林。空港の女性職員のミニスカートで寝ぼけ眼を覚まし、トラブルが起きても腕力で勝てそうな高齢のドライバーを探す。クラシックカーのタクシーに運ばれること30分。ホテルに着いて電気を付けたまま寝てしまう。

キューバでは誰も若林を見ない


東京での自意識過剰さとは異なり、キューバの若林は本当にキューバを楽しんでいる。初日の夜明けから開放的だ。朝5時。ベッドで目を覚ました若林は屋上に向かう。ギリギリまで辺りを見ないよう屋上を歩き、鉄柵をつかんだところで一気に顔をあげる。眼下に広がるハバナの街。若林のリアクションは「爆笑」だった。

ライター情報

井上マサキ

1975年石巻出身のフリーライター。元SEで2児の父。スマホアプリ・パパ育児・お笑いを中心に活動中。路線図鑑賞家。ケータイ大喜利第14号レジェンド。

URL:Twitter:@inomsk

「オードリー若林が1人でキューバを旅した理由『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』」のコメント一覧 1

  • 匿名さん 通報

    この本は面白いからオススメだよ!っていうのが伝わる、いいレビューだと思って途中まで読んでいたんだけど、まとめ方がありがちすぎる(笑)。でもこの本には興味を持ったのでレビューとしては成功なのかな。

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