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今夜最終回『ごめん、愛してる』律は天使になった

2017年9月17日 11時00分 ライター情報:大山くまお
長瀬智也主演の日曜劇場『ごめん、愛してる』。余命わずかな男が愛を求めてさまよう物語だ。いよいよ本日が最終回! 先週放送された第9話の視聴率は第1話とまったく同じ9.8%。10%の壁は厚いが、確実に盛り上がってきているようだ。
サウンドトラック

不公平で残酷な「運命」を受け入れる


「たとえ死んだとしても、俺の心臓で弟が生きられるなら、俺の死は無駄じゃなくなる。……つうのは、ただのやせ我慢だ。正直、不公平だろ。あいつだけ母親に可愛がられて、俺の分まで生きられる。まぁ、……これが俺の運命か」

頭に銃弾を受け、余命わずかの律(長瀬智也)は、心臓に重い病を持つ異父弟・サトル(坂口健太郎)に自分の心臓を与えようとする。サトルを溺愛する母・麗子(大竹しのぶ)はこの話に飛びつくが、律がなぜサトルに心臓を与えようとするのかがわからない。

律を訪ねてきた麗子が、その真意を尋ねる。「俺はあんたが捨てた子で、サトルは父親が違う弟なんだ」――そう言えばいいのに、律は言わない。2人を交互に映すカットバックは、明らかにそう言うタイミングを探っている。だが、言わない。律の返事は「わからなくていい」。なんで言わないんだよ! 長瀬!

「愛されずに育った子どもってそうなるのよね。私、よく知ってる。本当は愛されたくてたまらないのに、自分から愛なんかいらないって顔をするの」

8話で塔子(大西礼芳)が語った言葉が頭をよぎる。これまではそうだったのかもしれない。だが、9話での律はそうではない。律は天使になったのだ。


「俺は、生まれてきた意味がようやくわかった」


麗子のスキャンダルを執拗に追いかけるジャーナリスト・加賀美(六角精児)と出くわした律は、自分の秘密を打ち明ける。

「俺はなぁ、もうすぐ死ぬ」

こう語る長瀬智也の顔を見て驚いた。以前、4話のレビューで長瀬から生命力が溢れすぎていて、幸薄感が足りないんじゃないかと書いたことがある。だが、このカットの長瀬からはまったく生命力を感じない。頬がこけ、死相が漂っている。体重もかなり落としているんじゃないだろうか。役者ってすごいな。

麗子の不倫が原因で姉を亡くし、復讐の炎を燃やす加賀美に、律は静かに語りかける。

「俺は、自分が生まれてきた意味がようやくわかってきた気がしてんだ。弟と、おふくろを守るためだ」

「あんたは、何のために生きてんだ? 恨みを晴らすためか? そんなことのために生きてんのか、あんたは。せっかくヨボヨボになるまで生きられんのに。

ライター情報

大山くまお

ライター。著書に『野原ひろしの名言』『野原ひろしの超名言』(双葉社)、『名言力』(ソフトバンク新書)、『中日ドラゴンズあるある』(TOブックス)など。

URL:Fire Stone and Water

コメント 1

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    雑炊を食べている途中 胸がいっぱいになって外に出るシーン どちらも涙で胸がいっぱいになった 自分の痕跡を全て消し去り亡くなり 律の気持ちに打たれ、余りにも かわいそすぎて涙が止まりません。

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