「あんまり人のこと決められないので、ちょっとあんま向いてないかなと思いながら収録させてもらいました」

10月22日スタートの新番組「中居くん決めて!」(TBS系)。番組では家族の問題から恋の相談、個人的な悩みなど、世間の人たちがなかなか決められなくて困っていることについて、中居正広とゲスト陣が、話し合い、どうしたら良いかを決めていく新感覚トークバラエティがスタートする。

「中居くん決めて!」なのに中居正広が「決められない」を連発した件。新番組取材現場レポ
「中居くん決めて!」(TBS系)は、10月22日よりスタート。毎週月曜深夜23時56分から放送。

放送に先立ち行われた囲み取材で、中居は冒頭からこう語った。
「自分が言って、こうがいい、ああがいいっていうのは…ちゃんと書いておいて欲しいですけど、全然正しいとも思ってないですし、決めたものの全然責任。すげぇ無責任で、いまじゃあ思い返してっていっても、全然、何を決めたか覚えてないくらいなんで。決められた方はあまり信用しないで欲しいなと思いますけどもね(笑)」

番組タイトルとは真逆の「決められない」を連発していた。なぜなんだ!?

番組タイトルが「中居くん決めて!」なのに取材では中居はひたすら「向いてない」


──企画を聞いた感想について

中居正広(以下、中居):提案とか、そりゃね、番組作るにあたってあれですけど。最初の本当に決められないと、人のことは。
自分が習ってたことは、こんなふうに習ってたから、こういうケースがあるよって言えるけれども、自分が経験したことのないことを言うのはすごく難しいですし。友達とかは相談を…相談する人もいれば相談に来る人もいれば、する人もいるけど。友達だからこうがいい、ああがいいと言いますけど、全然知らない人と、育んでもない人に相談とかできないですね。今回、向いてないような気がします。

ええー!会場からは笑いが漏れた。番組タイトルが「中居くん!決めて」なのに、早くも「決められない」「向いてない」の言葉が並ぶとは……。


──それは最初におっしゃったんですか?

中居:言いました、僕は無理ですって。で、今日も本番前に言いましたし、先週も言って。一番最初、企画書のときから僕は決めれません!っていうのを。でも中居くん決めてっていうから(笑)本当、向いてないなと思います。今日やってても向いてないなって思いながら。でも、向いてないことをやることもなんかあるのかなって思ってやってます。
はい。

──収録のときも優柔不断だから決められないと言っていたが、日常的に細かいことも決められない?

中居:自分のことは決めれますよ。もちろん、自分のことは決めれますっておかしいですけど、自分のその…自分の今まで見てきたこと、触れてきたことの中で、自分の目で見てきたことはそんなに間違いないことだと思いますし。今日、二十歳の人とか20、23(歳)のこととか、全然ね、時代が違いますし、じゃあ僕の二十歳の頃を思い出すと…って思っても、僕は生まれてから二十歳になるまでの20年間と、今の二十歳の子が生まれてから20年間って全然時代も違いますし環境も違いますので必ずしも当てはまるってわけじゃないので、声を大にして言えないって感じですかね。

──日常の細かいことも苦手?

中居:ああ!それは迷う時もありますけど、もちろん。でも自分が今日ご飯何食べよっかなっていうのは別に人に迷惑かけてないですし、時間がかかっても自分が食べれないだけだったんで、それは全然ストレスにはならないですけど。
ただ、人(のこと)はもう本当に決められないですよね。今日みんなでご飯食べに行くっていうのも、一番年上だったら自分が仕切らなきゃいけないなって思っても、何がいいってレパートリーだけ言って自分じゃ決められないです。決めてもらったほうが楽です。

──悩んで決断を下すときの決め手は?直感か熟考か

中居:直感とかは全くないです。自分のセンスとか好き嫌いっていうのは全然ないです。でもまあ友達とかだったらずっと付き合いがあるので、いろいろ分析して考えながらってありますけど、全然知らない人とかもう、わからないですね。
なんて答えればいいのか(笑)

──自分の決断をする時は?
中居:みなさんのことも全然わからない、今日女性ばっかりですけど、女性のことなんかわかるわけない、私どうしたらいい?ってわかんない、女じゃねえんだからって(笑)。女で育ったことがないので、女性として生まれてきてたら女性のこと…男性でもわかんないですから、女性なんてわかるわけじゃないですよね。自分のことだって好き嫌いなので、それはもう人に迷惑をかけない好き嫌いで、それは決められます。自分で。

──その決め手、何かを決断しようってなったときに右左ってどっちかを選ぶってなったときに、
中居:道だったら右のほうが近いのかなとか? あ、でも結構前から考えますね。今日じゃあ昼ごはん何食べようかなって、昨日とんかつ食ったからじゃあ今日とんかつやめておこうかな、明日中華のお弁当が出そうだなって思うと今日チャーハン食べるのやめようかなとか。
一個ぐらいしか考えないですけど(笑)回路はそんなに難しくなさそうな気がします。


「無責任なことはいいたくないんですよね」──取材の冒頭から「決められない」「向いてない」と連発していた理由これか!むしろ誠実ゆえのことだった。

決断するときの選択肢に、やる、やらないの二択だけでなく保留もあるという。

中居:直感でやると自分の中で説得力、根拠がなかったりすると自分で納得しなくなっちゃうのかなって思います。だから保留とかもありますよね。決めらんない(笑)って。ご飯食べるのにも決めました、決めました、決めました、って僕はまだ決めない。じゃあ中居どうすんの?って言われて、じゃあ保留!って決められなくて。とんかつも熟考して、あ!昨日とんかつ食ったでしょ。明日の夜カレー食べそうだから、カレーはないでしょ。大した熟考でもないんですけど(笑)

──収録の中で自分が胸を張れるか張れないかが基準になるとおっしゃってましたね。

中居:小さい頃は基本、やましい生活をしてますんで、親にバレないようにとか先生にバレないようにとか、胸張れないじゃないですか。年齢を重ねていくと、もうそんなことできないので、発言にしろ行動にしろ、胸を張れるようにしておきたいなと思いますね。誰にも胸を張って僕はこう思います!っていう風な時間を過ごしたいなって思います。

──それは誰に見られてなくても?

中居:それは家の中でも、なんかわかんないけど、全裸で過ごしたくないなとか。なんとなく、見られてないんだけどちゃんとしとこうかとか、見られてないところのほうが大事だな。見られている時は特に、テレビとかは、さっき(収録で)やさしい男性がいて、ちやほやしてなんて(悩みが)あったけど、それくらいは自分でもできますし、いい人でいられますけど。ちょっと離れますとすぐ悪いところ出てきますので。習慣として悪いところが出ないように日頃から気をつけてるけど出ちゃいます。すぐ悪いところ出しちゃいます(笑)

──番組では若い方から恋愛に関するお悩み相談があったが、普段、恋愛相談にのることは?

中居:僕の年齢でもう恋愛相談する人いない(笑)俺の同級生が『中居、好きな人ができたんだけど』って(笑)

──離婚しようとか

中居:結婚もしたことないし、プロポーズで…今日もはなしの一発目、プロポーズもしたことないし結婚もしたことないのに、プロポーズ受け入れたほうが?…ってわかるわけないですよね。習ったことは、通った道だったら言えますけど、一歩も踏み入れてないところですから。私はいま刑務所で生活してますって言われても、いやいや俺刑務所行ったことねぇから。中居くんどうですかって言われても、そうね…どっかで無責任なこと言えないなっていうのがあるから。だからあまり経験のないこと…だから結局、誰もその人の人生を経験ないわけですから。うん、だからあんまり言えないっていうのは本当確かなんです。だから本当に…向いてないと思います。どうしよう、本当に。次の収録とかどうしようかと思います。不安でならないです。でも昨日はぐっすり寝ました(笑)8時間寝ちゃって(笑)びっくりしました。

──体調バッチリですね。
中居:上が122でした。
血圧。下は覚えてないです。よかったです、絶好調でした。

──若い方たちのいまどきの恋愛のパターンを聞いて思うことは?

中居:わかんないです。ホントに僕なんか10代の頃なんてケータイとか、連絡のなんとか(手段)ってそれでもやっぱり微妙に違ったりしますし、環境が違うので、だからよくそれはまあ恋愛じゃなくても、スポーツでも習い事でも、もう全然断定で言えないですね。
じゃあ自分が習ってきた、じゃあタレントの後輩とか下の人がどうすればいいですかねって言っても、それもやっぱりあんまり断定はできないです。俺たちはこうだったからこうあるべきだとか、あんまり言えないですね。こんなケースもあるけども、こんなパターンはあるけども、っていうのは選択肢があれば、かざすことはできますけど、一本でこうあるべきだとはあまり言えないですね。

番組収録の直後に取材に応じてくれた中居。作務衣姿で登場した。

──今日の衣装はレギュラーで?
中居:そうですね、一本目終わって、これで2本目行っちゃおうかって、じゃあ3本目…、これだったら安くて済むねっていう話で(笑)深夜番組なんで毎週これやるんだったらこれ一本でいけるんじゃないか。
みんなで話し合って。初めてなんで、他の番組と被らないんだったらこういうのがいいのかな。駆け込み寺じゃないですけども。そんな和のセットだったりするので。

──作務衣は普段も着ている?

中居:家にもあります。あ!いまのナシです(笑)ちょっと新しい情報あんま言いたくないんですよ。新しい情報を提供したくないんです。実は家でこんな格好してるとか、わーってなるのが嫌なんで。あの、パジャマ、パジャマ、パジャマ…ざっくりパジャマでお願いします(笑)すいません。

──番組スタートにあたって、これだけはしよう・しないなど決めたことは?

中居:まあそうね、タイトルどうしましょうかなんて言ってて、自分ができないと思ってたんで、何を準備してこうかなって、まあいくつか。その決めることも笑いで…ホントわかんない、温度もわかんないなーってちょっと模索してたんで。で、一回やってみればわかるのかななんて思いながらも、それおもしろかったなって思いましたけどね。自分の想像してる範囲がどういうものか、どういうテンションになるのかわかんないなって。でもまあこれも正解がどうかもわかんない。ちょっとギアあげてこうかなとか、ちょっとまあ声のトーンあげてこうかなぐらいですかね。あんまりおとなしく、ジミ〜としてユーモアにかけちゃうかな、なんて。これでいこう、何々しよう、というのはそんなになかったかもしれないな。ふわーとしてました。

──中居さん自信が決めて欲しいことはありますか?
中居:思い悩んでいて、僕がどうしようかって、これがいいのか、あれがいいのかなってもうね逆にいうと人に決められたくないので、自分のことは全部自分で決めるんで。人にも言えない…人にはこうしたほうがいいなってこともあんま…。
友達が右だって言っても左だって思っちゃったら左に行っちゃうこともありますんで、そこはなんでかわかんないですね。


「自分のことは自分で決める」と言い切った中居。自分のことは自分で決める=責任を持つ、という強い意思が伝わってきた。

中居:うん。僕のことは僕にしかわかんないし、って思ってることもあるかもしれないですね。でも頑固なところは…それは頑固なのかなと思いながら、急に舵切って行くこともありますし。ブレないかっこよさが男にはある、みたいなことをよく聞きますけど。それも対応しながら、その時に考えながら。好きな人が変わったとか、一途にすることが必ずしもじゃないな、とか考えたりします。僕は自分のことは自分で決めます。そんな影響されないタイプかもしれないです。

──相談もしない?
中居:相談もないですね。(撮影の)ポーズで相談することはありますけど、雰囲気で。雰囲気で相談したらいいこと、そうですね!そうですね!って(言って)、全然変わらないっていう(笑)

──最後に番組の見どころを

中居:僕が云々、僕が決めることがちょっと最後のゴールがそこだけであって。そこにいくまでの過程、いきさつというか、街灯インタビューとかこんなことで悩んでるんだとか、こんな小さいことで決められないんだっていうようなことにちょっと目を向けてもらうと、多分見てる人も、私も僕もこんなのあるなって共感できることもあるんじゃないかな。出てるタレントさんにも共通する部分もあるんじゃないかな。あんまり中居が決めるっているのは、そんなに重く受け止めてないというか、そこまでが楽しく観れるんじゃないかなと思います。


番組の目玉の一つが街頭インタビュー。番組中に街角に中継班が出動。悩める人とスタジオとをつないで、相談にのってくれる。街で大きな耳を背負った黒い格好をした人がいたら「中居くん決めて!」かもしれない。

相談された悩みに対して、すぐに答えを出すのではなく、よくわからないからこそもっと質問を重ねる、相手の気持ちになって考えてみる、ゲスト陣の様々な意見を聞いてみる。そんな風にして、最終的に中居が何らかの答えを選択していく。その選択するまでのプロセスが楽しい。
「同じ悩みを持つ人がいた!」「そういう考え方の人もいるんだ」と相談者に共感したり、幅広く人の考えを知ったり、笑いあり、深い話ありと、トークの中にはいろんな発見がありそうだ。

「中居くん決めて!」(TBS系)は、10月22日よりスタート。毎週月曜深夜23時56分から放送。
(柚月裕実)