宗教団体「幸福の科学」へ突然の出家を発表し、仕事を投げ出した清水富美加さんに対し、テレビではタレントやコメンテーターたちが批判的な意見を述べている。
そんな中、伊集院光さんが2月14日放送のラジオ番組「伊集院光とらじおと」で、こうした状況に「気持ち悪さを感じる」「バランス感覚を欠いている」と疑問を投げかけた。


芸能界で勝ち抜いてきた人の意見には「バイアス」


清水さんはテレビ・ラジオのレギュラー2本、さらに2本のCMに出演中。映画は公開予定の作品が3本、撮影中の作品が1本あった。仕事を途中で投げ出しての出家発表に、13日の『とくダネ!』(フジテレビ系)では、小倉智昭さんが「自分の仕事に対して責任を持たなければいけない」、さらに同日の『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)でも宮根誠司さんが「いろんな方に迷惑かけているのだから、仕事が一段落してからがいいのでは」などと、コメンテーターは口を揃えて非難している。

伊集院さんはそんな風潮に疑問を感じたようだ。ラジオ番組の中で、「どちらの味方でもない」と前置きをしたうえで、発言権のある中堅ベテランタレントたちが「仕事に迷惑をかけている」という意見一色であることに対し、「間違っているとは言ってない」としながらも、「気持ち悪さを感じる」と発言。一般の社会とは違う芸能界という特殊な環境で勝ち抜いてきた人の意見はバイアスがかかっていて参考にならないというのだ。例として、現在は危険であることが定説になったウサギ跳びを、過去に活躍してきたスポーツ選手が「あれは間違っていた」と言わないことをあげた。


さらに、町工場などで寝ずに働く若者が「俺もう無理です」と倒れた時に、ベテランが「俺たちの若い頃はもっと働いていたぞ」「お前が倒れたらほかの人に迷惑がかかる」と言うのは今の時代の風潮としては違う、と発言。
「少なくとも彼女は『死にたいと思っていた』、と言っているわけですよね。そのような人に『仕事の責任を取っていないから、やめるのは何事か』と言うのはちょっと違うんじゃないの?」「彼女に迷惑をかけられた人、彼女が不満に思ったことを、ちゃんと法律のもと裁判にした方がいいと思う」

坂上忍「僕らが若いころもそうでした」


「幸福の科学」の主張では清水さんは月給5万円で激務をこなしていたとのことだが、これに対し、『バイキング』でラサール石井さんが「大手のプロダクションだとしても新人は月給5万円ぐらいですよね」と話すと、坂上さんは「僕らが若いころもそうでした」「僕らからしたら珍しいことではない」と自分たちの時代を例にあげて清水さん側の言い分に反論していた。

『ミヤネ屋』でも井上公造さんが「いろんな仕事をくぐり抜けて、スターになっていくもん」「お相撲さんも十両になるまで、給料無しが当たり前。もともと自分の望んでいた道なのに」と批判していた。

女性芸能人から擁護の声も


“清水さんが精神的に追い詰められていた”ということに着眼し、清水さんを擁護する意見は女性タレントからも出ている。13日放送の『バイキング』でフィフィさんは「みなさんは無責任だというけど、精神状態を崩したまま、次の日“仕事来いよ”っていうのも酷じゃないですか?」「例えば“精神的に辛いので入院します”と言って休んだ場合でも、こうやって“責任がー”って言われちゃうものなんですか?」と、清水さんを批判する坂上さんなどに意見した。


同日の『スッキリ!!』(日本テレビ系)でも、高橋真麻さんが「宗教関係なく心身ともにバランスを崩して働けないのであるなら、それはどうしようもない」と擁護、ハリセンボンの近藤春菜さんや、杉山愛さんも「相当追い込まれていたのでは?」と同情しているようだった。

しかしレプロエンタテインメント側は、記者会見で「出家したいという理由で仕事ができないという主張が、一転して体調不良ということになった」と説明をしたと報じられており、清水さんの精神面をめぐる見解が分かれている。