『血の轍』のあらすじ・短いネタバレ紹介

今回記事でご紹介するのは2017年にビッグコミックスペリオールで連載スタートした押見修造の問題作、『血の轍』のあらすじです。

本作は母と息子の確執や共依存を描いたサイコサスペンスで、毒親を主題にした漫画の中でも異彩を放っています。

「このマンガがすごい!2018」オトコ編では第9位を獲得し、「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2018」ネクストブレイク部門でも第9位にランクインしました。

シリーズ累計発行部数は230万部を突破しています。

※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。

『血の轍』のあらすじ

サラリーマンの父・長部 一郎(おさべ いちろう)、専業主婦の母・長部 静子(おさべ せいこ)と暮らす平凡な中学2年生・長部 静一(おさべ せいいち)。

目立った取り柄こそありませんが、一緒に馬鹿をする友達や片想い中のクラスメイト・吹石 由衣子(ふきいし ゆいこ)に囲まれ、楽しい日々を送っています。

出典:電子書籍「血の轍」

静子は思春期にさしかかった息子を小さい子供のように扱うものの、それが物心付いた頃から当たり前だった静一は、特に疑問を持たず受け入れていました。

長部家にはたびたびいとこのしげると伯母が転がり込み、店屋物の出前をとらせ、長時間入り浸っていました。

静子は笑顔で伯母たちをもてなし、静一も友人たちとの予定を切り上げ、しげるとゲームで遊びます。

お調子者のしげるは静子の過保護ぶりをからかい、息子が寂しがるといけないからと幼稚園に居残ったエピソードを蒸し返し、静一を怒らせることもありました。

夏休み、長部一家と伯母一家は合同登山を計画。

その際、崖のそばでふざけるしげるを慌てて抱き止めた静子ですが、まるで反省の色のない言動に煽られ、発作的に突き落としてしまいます。

しげるは辛うじて一命をとりとめるも、目覚めた時には転落前後の記憶を失い、重度障害者になっていました。

警察の事情聴取に対し、静子は「助けようとしただけ」と釈明。

静一も「あれは事故です」と口裏を合わせたものの、静子の二面性を垣間見た衝撃は大きく、精神的ショックから吃音を発症。

それをいじられ学校で孤立し、吹石に心配されます。

静子は前にも増して息子に依存し、束縛を強めていきました。

ある日のこと、家に上げた吹石にラブレターを渡された静一。

静子は吹石の帰宅を待って手紙を取り上げ、破り捨てろと強要します。

拒否すればヒステリックに泣き喚くため、静一は仕方なく命令に従い、後日返事を聞きに来た吹石を「ママがいるから」とふりました。

その後も吹石は諦めずアプローチを続け、2人は付き合い始めるのですが……。

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