『朽ちないサクラ』のネタバレとあらすじ解説

今回記事でご紹介するのは柚月裕子の刑事小説シリーズ、およびそれを原案とした映画、『朽ちないサクラ』のあらすじです。

柚月裕子はヤクザ映画『孤狼の血』の原作者。

警察組織の旧弊な体制や暴力団の内情に切り込む骨太な作風と、登場人物にリアルな息吹を吹き込む、確かな筆力が評価されています。

『朽ちないサクラ』の映画は2024年6月に公開が予定され、主役の森口泉を女優の杉咲花が演じると報じられました。

※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。

『朽ちないサクラ』のあらすじ

主人公の森口泉(もりぐち いずみ)は米崎県警広報公聴課勤務。

出典:「朽ちないサクラ」公式サイト

そこは市民の苦情受付をする部署ですが、大学生・長岡愛梨がストーカーに殺された事件が波紋を招き、非難が殺到していました。

生前の愛梨はストーカー・安西の嫌がらせに憔悴しきり、両親に付き添われて平井中央署生活安全課におもむきます。

そこで被害を相談したものの、担当者の辺見は安西がストーカーと同一人物である確証がないと告げ、被害届を受理しませんでした。

怒った両親は弁護士を立てると主張しました。

ようやく被害届を受理したものの、警察が動いたのは一週間後。

その僅か二日後、安西が愛梨を殺害する事件が発生します。

辺見が被害届の受理を拒んだのは、所轄職の慰安旅行を控え、余計な手間を増やしたくなかったから。

地元紙の米崎新聞が慰安旅行の件を公にしたことで、この不祥事は世間に広く知れ渡り、公聴課に抗議の電話が鳴り響いていたのでした。

署内ではなぜ、米崎新聞一社がスクープを物にできたのか、スパイが紛れ込んでいるのではと憶測が飛び交っていました。

泉が思い出したのは、高校時代からの親友にして、米崎新聞で県警を担当する記者・津村千佳(つむら ちか)の存在。

先日千佳と会った泉は、警察学校時代の同期・磯川俊一(いそかわ しゅんいち)に聞かされた慰安旅行の話を、うっかり漏らしてしまっていたのです。

失言を悔やんだ泉は、「絶対秘密にして」と千佳に頼んだものの、こうして記事が出回っている以上彼女を疑わざるを得ません。

泉は千佳に会いに行き、直接彼女を問い質します。

すると千佳はハッキリ否定。

彼女の弁明を信じたい泉ですが、千佳は上司と不倫しており、新聞の売り上げを伸ばす為に約束を破ってもおかしくないと思わせました。

友人の本音を察した千佳は、「この件には裏がある」と推理し、それを暴いて泉の信用を取り戻すと誓います。

その一週間後、変わり果てた千佳の死体が川で発見されました。

親友の自殺を信じない泉は、警察の暗部に深入りした千佳が、口封じに消された可能性を考え始め……。

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