獅子雄「空き家は現代の東京において最も興味深い場所だ。高齢化と相続税のせいで何年も人が寄り付かなくなった空き家が増えている。
10月21日（月）放送のドラマ『シャーロック』（フジテレビ系）第3話。今回の事件は、「タンカーヴィル・クラブ醜聞事件」をモチーフにした地面師詐欺犯の殺人事件。事件の黒幕として、原作の「モリアーティ教授」にあたる「守谷」の名前も登場した。
若宮「俺も行く！」
第3話から、若宮（岩田剛典）の態度がはっきりと変わった。1話では、獅子雄（ディーン・フジオカ）の助手となることにも、一緒に住むことにも反抗し、獅子雄の持ち物を窓から投げ捨てていた若宮（あのあと、二人で片づけたのだろうか）。今回は、獅子雄と江藤（佐々木蔵之介）が事件の捜査に出向くときに、自ら「俺も行く！」と言い出した。
殺されたのは、5年前に21億円の被害を出した地面師詐欺に関わっていた男・吉野正夫（六平直政）。
吉野を逮捕したのが、刑事部捜査二課の刑事・市川利枝子（伊藤歩）。市川は、当時詐欺に利用された物件を担当していた不動産会社の営業・古田和人（岡田義徳）が、吉野が殺された現場近くで目撃されているという情報を提供した。
若宮は、地面師詐欺の被害者が復讐したのではないかと言う。1話、2話よりも推理に積極的。口調もこれまでのオラオラした語尾が減った。
若宮「なあ、古田を信じて良いのかな。いや、古田が騙されてるって言ってること自体が、嘘かもしれないよな」
獅子雄「成長したなあ。その可能性はある。古田が騙された被害者を装って、次の手に出るかもしれない」
若宮「大丈夫かなあ……。13億円の契約だよ？」
獅子雄「俺の金じゃない」
若宮「でも」
獅子雄「お前の金でもない。“報告”を待ってる」
古田が新たに13億円の不動産契約を担当すると知った獅子雄は、また地面師詐欺がおこなわれると踏んで古田と一緒に契約の場に行く。
契約の場に出向く獅子雄を見送る若宮は、マグカップを両手で持って弱気そうにしている。「〜かなあ」とか「〜だよ？」と、獅子雄に不安を取り払ってもらおうとするかのような語尾。ラストシーンで獅子雄が帰宅したときには、要求されずとも獅子雄用の茶色いマグカップにコーヒーを注いでいた。
警戒心バリバリで吠えるばかりの犬のようだった若宮が、獅子雄に眉尻を下げてみせる。
吉野を殺した犯人は、吉野を逮捕した市川だった。市川が地面師グループの丹波（菊池均也）と一緒にいる写真を、吉野が持っていた。
1話の汀子（松本まりか）、2話の藍子（菅野美穂）、3話の市川と、女性犯人の怪演が続いている。罪を認めたくない汀子の許しを請う様子。罪を犯しながらも芯がブレない藍子の笑み。そして市川。
市川「警察なんて、上に行くことを考えている奴か、組織に背を向けて愚痴を言っている奴かの二通りしかいない。
獅子雄「どう違う？」
市川「守谷は、人間とは何かを知ってる。私は守谷のためだったら、何だってできる」
誰も黒幕である守谷の顔を知らない。どこにいるのかもわからない。それにも関わらず、市川をここまで心酔させることができる人物。いったい誰が守谷を演じるのか。それとも、最後まで登場しないという可能性もあるか。
若宮「あいつがなぜ答えないのか、僕にはわかった。全く正体の見えない守谷という男に、あいつ自身、強烈に惹かれ始めていたのだ。この胸騒ぎは何だろう」
「女性が犯人」という統一には何か意味があるのだろうか。若宮は「守谷ってどんな男なんだろうな」と言っていたが、誰も顔を見たことがないのに「男」というのはミスリードなのか。そう想像しながら見ていたが、次回の事件の舞台は男性ばかりのボクシングジム。ゲスト俳優は、金子ノブアキと矢野聖人だ。
（むらたえりか）
＝配信サイト＝
FOD：https://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4l20/
TVer：https://tver.jp/corner/f0040635
＝作品情報＝
『シャーロック：アントールドストーリーズ』（フジテレビ系）
10月7日（月）スタート 毎週月曜21:00〜21:54
出演：ディーン・フジオカ、岩田剛典、山田真歩、ゆうたろう、佐々木蔵之介ほか
原作：アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ』シリーズ
脚本：井上由美子
プロデュース：太田大
音楽：菅野祐悟
オープニングテーマ：DEAN FUJIOKA「Searching For The Ghost」（A-Sketch）
主題歌：DEAN FUJIOKA「Shelly」（A-Sketch）
演出：西谷弘、野田悠介、永山耕三
制作著作：フジテレビ
公式サイト：https://www.fujitv.co.jp/sherlock/
そこでどんな犯罪がおこなわれても気づかれることはない」
10月21日（月）放送のドラマ『シャーロック』（フジテレビ系）第3話。今回の事件は、「タンカーヴィル・クラブ醜聞事件」をモチーフにした地面師詐欺犯の殺人事件。事件の黒幕として、原作の「モリアーティ教授」にあたる「守谷」の名前も登場した。
イラスト／まつもとりえこ
岩田剛典、よく吠える犬からわんこへ
若宮「俺も行く！」
第3話から、若宮（岩田剛典）の態度がはっきりと変わった。1話では、獅子雄（ディーン・フジオカ）の助手となることにも、一緒に住むことにも反抗し、獅子雄の持ち物を窓から投げ捨てていた若宮（あのあと、二人で片づけたのだろうか）。今回は、獅子雄と江藤（佐々木蔵之介）が事件の捜査に出向くときに、自ら「俺も行く！」と言い出した。
殺されたのは、5年前に21億円の被害を出した地面師詐欺に関わっていた男・吉野正夫（六平直政）。
逮捕され刑務所に入っていたが、6月に出所したばかりだった。
吉野を逮捕したのが、刑事部捜査二課の刑事・市川利枝子（伊藤歩）。市川は、当時詐欺に利用された物件を担当していた不動産会社の営業・古田和人（岡田義徳）が、吉野が殺された現場近くで目撃されているという情報を提供した。
若宮は、地面師詐欺の被害者が復讐したのではないかと言う。1話、2話よりも推理に積極的。口調もこれまでのオラオラした語尾が減った。
若宮「なあ、古田を信じて良いのかな。いや、古田が騙されてるって言ってること自体が、嘘かもしれないよな」
獅子雄「成長したなあ。その可能性はある。古田が騙された被害者を装って、次の手に出るかもしれない」
若宮「大丈夫かなあ……。13億円の契約だよ？」
獅子雄「俺の金じゃない」
若宮「でも」
獅子雄「お前の金でもない。“報告”を待ってる」
古田が新たに13億円の不動産契約を担当すると知った獅子雄は、また地面師詐欺がおこなわれると踏んで古田と一緒に契約の場に行く。
古田には「第三者が同行すれば潔白を証明できる。まだ遅くはない」と、名誉の回復に繋がると伝えていた。
契約の場に出向く獅子雄を見送る若宮は、マグカップを両手で持って弱気そうにしている。「〜かなあ」とか「〜だよ？」と、獅子雄に不安を取り払ってもらおうとするかのような語尾。ラストシーンで獅子雄が帰宅したときには、要求されずとも獅子雄用の茶色いマグカップにコーヒーを注いでいた。
警戒心バリバリで吠えるばかりの犬のようだった若宮が、獅子雄に眉尻を下げてみせる。
「俺も行く！」とわんこのように追いかけてくる。この反発していた側が馴染んでくる様子はバディものの醍醐味のひとつ。それを、口調やコーヒーで示すのがさりげない。
3人の女性犯人の演技。守谷の正体
吉野を殺した犯人は、吉野を逮捕した市川だった。市川が地面師グループの丹波（菊池均也）と一緒にいる写真を、吉野が持っていた。
どういうことなのかと吉野に責められ、とっさに殺してしまった。
1話の汀子（松本まりか）、2話の藍子（菅野美穂）、3話の市川と、女性犯人の怪演が続いている。罪を認めたくない汀子の許しを請う様子。罪を犯しながらも芯がブレない藍子の笑み。そして市川。
市川「警察なんて、上に行くことを考えている奴か、組織に背を向けて愚痴を言っている奴かの二通りしかいない。
でも、守谷は違う」
獅子雄「どう違う？」
市川「守谷は、人間とは何かを知ってる。私は守谷のためだったら、何だってできる」
誰も黒幕である守谷の顔を知らない。どこにいるのかもわからない。それにも関わらず、市川をここまで心酔させることができる人物。いったい誰が守谷を演じるのか。それとも、最後まで登場しないという可能性もあるか。
若宮「あいつがなぜ答えないのか、僕にはわかった。全く正体の見えない守谷という男に、あいつ自身、強烈に惹かれ始めていたのだ。この胸騒ぎは何だろう」
「女性が犯人」という統一には何か意味があるのだろうか。若宮は「守谷ってどんな男なんだろうな」と言っていたが、誰も顔を見たことがないのに「男」というのはミスリードなのか。そう想像しながら見ていたが、次回の事件の舞台は男性ばかりのボクシングジム。ゲスト俳優は、金子ノブアキと矢野聖人だ。
（むらたえりか）
＝配信サイト＝
FOD：https://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4l20/
TVer：https://tver.jp/corner/f0040635
＝作品情報＝
『シャーロック：アントールドストーリーズ』（フジテレビ系）
10月7日（月）スタート 毎週月曜21:00〜21:54
出演：ディーン・フジオカ、岩田剛典、山田真歩、ゆうたろう、佐々木蔵之介ほか
原作：アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ』シリーズ
脚本：井上由美子
プロデュース：太田大
音楽：菅野祐悟
オープニングテーマ：DEAN FUJIOKA「Searching For The Ghost」（A-Sketch）
主題歌：DEAN FUJIOKA「Shelly」（A-Sketch）
演出：西谷弘、野田悠介、永山耕三
制作著作：フジテレビ
公式サイト：https://www.fujitv.co.jp/sherlock/
