(東京 1日 中央社)2020年東京五輪・パラリンピックのチケット購入に必要となるIDの新規登録ページで、申請者の国・地域の選択肢に「台湾」ではなく「チャイニーズ・タイペイ」の呼称が使用されていることが分かり、在日台湾人団体でつくる「全日本台湾連合会」が2月28日、「台湾」への表記変更を求めて大会組織委員会に抗議文を提出した。

連合会の趙中正会長をはじめとするメンバー21人が東京都港区の大会組織委員会を訪れ、森喜朗・組織委員会会長の秘書、長谷川徹二氏に抗議文を手渡した。


抗議文では、五輪に出場する台湾の選手は国際オリンピック委員会(IOC)の規定によって「チャイニーズタイペイ」名義での参加を余儀なくされ、台湾はこの不平等な待遇を不本意ながら受け入れていると説明。「われわれの国家の名称は台湾であり、チャイニーズタイペイではない」とし、「いかなる理由であれ、日本の国内組織には独断かつ一方的に他国の名称を変更する権利はない」と主張した。さらに、台湾人がチケットを購入する際には「このように屈辱的な国籍の選択肢を我慢して選ばなくてはならない」とし、このような待遇は台湾人を傷つけると訴えた。

連合会によると、2月9日までは国・地域の選択肢に「台湾省/中華民国」と表記されていたが、その後「チャイニーズ・タイペイ」に変更されたという。

趙会長は取材陣に対し、在日台湾人の心の声を伝えるために抗議文を提出したと語り、組織委員会の対応をみて抗議活動を再度行うか決める考えを明らかにした。

抗議文を受け取った長谷川秘書は、その場で何らかの約束をすることはできないとしつつも、組織委員会に必ず連合会の主張を伝えると述べた。


(楊明珠/編集:名切千絵)