「イングランド代表トークライブ」(主催:サッカーキング、協賛:アンブロ、協力:サッカージャーナリスト養成講座、フットボールプラザ)が14日、都内で開催された。ゲストにはイングランド・プレミアリーグの実況でおなじみの西岡明彦氏と、『リヴァプールより悪意を込めて』の著書を持ち、ファッション・デザイナーという肩書も持つトニー・クロスビー氏が登壇した。

 
 トークライブは序盤からトニー氏の毒舌が炸裂。まず「イングランド代表、今回は勝つつもりがない」といきなり一刀両断。「あまり活躍していないし、期待もされてない。監督はロイ・ホジソンで大丈夫なのか?」と続け、ホジソン監督を強烈に皮肉る発言は会場の笑いを誘った。
 
 さらにはトニー氏の情報網を駆使した裏話を披露。デンマーク代表のニクラス・ベントナー選手が試合中に犯した珍しい反則や、ウェイン・ルーニーの髪型の話、スウェーデン代表の対イングランド戦用の特別練習などトニー氏ならではのユニークな裏話が飛び出した。
すると西岡氏も「Jリーグがスタートした時から、高木琢也選手はアンブロのスパイクを履いていた。マンチェスター・ユナイテッドに高木選手が留学していた時にライアン・ギグスやデイヴィッド・ベッカムがアンブロのスパイクを履いていて、それに憧れた高木選手はアンブロのスパイクを愛用していた」と語り、会場からは驚きの声が上がった。
 
 EUROの優勝チーム予想の話題になれば「今回はドイツが勝つんじゃないか。ほんと嫌だけど」、「スペインがまた勝ったらつまらない。もうパスはいいから、早くゴールいけよとイギリス人はみんな思ってる」と言い放ち、優勝候補筆頭の2チームもトニー氏の前には形無しだった。
 
 会場からの質問コーナーでは「イングランド代表で好きな選手は?」「スティーヴン・ジェラードが移籍したら嫌いになる?」などの質問にトニー節全開で答えた。
「安くていい選手は?」という質問に「香川(真司)いいね。本田(圭佑)もいいね。私の仕事が増えるから」と答え、会場はその日1番の盛り上がりを見せた。

 終始、トニー氏のサッカー愛に満ちたシニカルなコメントで会場は盛り上がりを見せたが、イングランド代表の話に限らずサッカーに関するさまざまな話題に話が展開され、他では聞けないマニアックな話も多々飛び出した。サッカーマニアにはたまらない内容となった今回のトークライブはトニー氏が最後の最後に「イングランド代表、今回もしかしたらいけるんじゃないかな」とそれまでの発言をひっくり返し、満員の会場からの盛大な拍手で幕を閉じた。

文:三瓶大輝