現地時間2月2日に開催された「NFLスーパーボウル」第54回大会のハーフタイムショーについて、「性を前面に出しすぎ」「家族向きではなかった」などといった苦情が視聴者から多数「連邦通信委員会」に寄せられていたことが明らかになった。

フロリダ州マイアミの「ハードロック・スタジアム」で今月2日に開催された米国最大のスポーツイベント「NFLスーパーボウル」第54回大会。
今年は2人の“ラティーナ”(ラテン系ルーツを持つ女性)ことジェニファー・ロペス&シャキーラがダブルヘッドライナーを務め、ラテンコミュニティーや女性のエンパワーメントを掲げたパワフルなショーを披露した。

ラテン系移民への差別や政治的圧力への隠れたメッセージが込められたエネルギッシュなステージに人々は熱狂、ポップスやディスコミュージックに加えサルサやルンバ、サンバなど幅広いラテンミュージックとド派手なステージ演出が、会場を興奮の渦に包み込んだ。

しかしきわどいコスチューム姿のシャキーラとジェニファーが官能的なダンスをこれでもかと繰り広げたこのたびのステージには、

「家族で見ていたから、ビミョウに気まずかった」
「ラテン系女性=セクシー、みたいな括りが見ていて不快」
「ストリップクラブさながらの演出で、品性に欠ける」

などネガティブなコメントも多数見受けられた。

そしてこのほど『CNN』をはじめ複数のメディアが、今年のハーフタイムショーについて「連邦通信委員会(Federal Communications Commission、FCC)」宛に多数の苦情が寄せられたことを伝えた。

同委員会は米国内の放送通信事業に関する規制監督を行う機関で、ジェニファー・ロペスシャキーラのステージに関し、視聴者からこれまで1312件の苦情が集まっているという。

露出度高めのコスチュームに身を包み、妖艶なダンスを繰り広げたシャキーラや、ストリッパーを彷彿させるセクシーなポールダンスでアクロバティックなポーズを次々と披露するジェニファーについて寄せられた苦情は次のようなものであった。


・性を前面に出しすぎたステージに幻滅した。若い少女達もステージに登場していたが、性目的の児童売買を彷彿させる演出には嫌悪感しかない。

・「Me Too」ムーブメントは結局のところ、偽善行為でしかなかったのか?

・ジェニファーとシャキーラが繰り返し股間を掴んだり、性行為を連想させる舌の動きを見せるので、一緒に視聴していた子供を別の部屋へ追いやらなければならなかった。

・スーパーボウルはいつからポルノ番組になったんだ?

またなかには、このようなショーを放送した『FOX』やスポンサーの「ペプシ」、そして「スーパーボウル」「NFL」をボイコットするといった動きも見られ、

・家族ぐるみで視聴できる質の高いショーを約束してくれるまで「ペプシ」の商品は購入しない。

・あのような卑猥なショーを容認するネットワークの番組は二度と視聴するつもりはない。

といった意見が寄せられたようである。


ちなみにジェニファー・ロペス本人は、ハーフタイムショーの数日後に出席した第35回インディペンデント・スピリット・アワード(Independent Spirit Awards)のレッドカーペットで、

「本当にくだらないと思う。」

とネガティブな意見を笑い飛ばし、

「シャキーラも私も、きちんと場をわきまえたパフォーマーで母親よ。自分の行動には自覚と責任を持っているわ。」

と反論、

「一部のネガティブな人達の意見に耳を傾けるつもりはないわ。」

と世間の酷評を軽くあしらっていた。

およそ1億200万人が視聴したとされる「NFLスーパーボウル」第54回、「連邦通信委員会」に寄せられた1312件という苦情の件数は割合にすると微々たるものだが、万人ウケするアーティストの起用やステージ演出について主催側は来年以降さらに慎重にならざるを得ないことだろう。

画像は『Jennifer Lopez 2020年2月3日付Instagram「Puerto Rico y Colombia muy en alto hoy.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)