北海道に限定キャラメルがやたら多い理由
北海道では、タテ11.7センチ×ヨコ4.5センチの細長いキャラメルが、コンビニのお菓子コーナーにズラズラ並ぶ。カワイイ。このサイズ、東京とかでもありますっけ?
北海道に行くと、フツウのコンビニに並ぶ限定キャラメルの豊富さに仰天する。お菓子コーナーの一角に、堂々と「北海道限定キャラメル」の棚があり、そこにはグリコや森永など、大手のものは存在していない。


どれも土産物として、明らかに観光客を狙ったものだが、「バンビミルクキャラメル復刻版」「バンビチョコレートキャラメル復刻版」(以上、池田製菓)、「熊出没注意 焼きトウキビキャラメル」(道南食品)、「サッポロビールキャラメル」(メルシー)など、会社は異なるのに、なぜかいずれもタテ11.7センチ×ヨコ4.5センチの統一された細長タイプだ。

食べてみた。

「バンビキャラメル」は、大手の味に近いマイルドでベーシックな味。「熊出没注意 焼きトウキビキャラメル」はキャラメルコーンにも似た香ばしさで、「ちょっとお茶ください」と言いたくなる感じだ。あ、でも、そもそも「キャラメルコーン」って、キャラメル+コーンの味だから、これは逆輸入なのか。

「サッポロビールキャラメル」は、かすかにビールの香りがし、口に入れた途端、「酒饅頭」にもちょっと似た、ほんのり鼻に抜ける発酵臭が広がる。
ことのほか、うまい。
 
他にも北海道限定では、「夕張メロンキャラメル」とか「男爵いもバターキャラメル」、強烈なものでは「ジンギスカンキャラメル」なんてのもあるようだ。
 
確かに、北海道は観光客が多いため、日常の生活と密着したコンビニでも観光客への売り込みを…というのはわかる。でも、なぜキャラメルなのか? 北海道→寒い→甘いキャラメルが人気、ということなのか?

創立80周年で、復刻版の「バンビキャラメル」を出している池田製菓に聞いてみた。
「一般スーパーとコンビニに納入しているキャラメルメーカーは、全国に約10社あるようですが、そのうち2社が北海道なんです。
また、コンビニに並んでいるのは、観光みやげ品としての需要が高いためです。
弊社でははっきり数字でいえませんが、一般スーパーの納品に比べ、土産用は数倍多い出荷額になります。寒い地域=キャラメルというイメージではないと思いますよ」(池田製菓・竹ヶ原さん)

ちなみに、同社の「バンビキャラメル」が復刻したのは昨年11月。近年の復刻版ブームに加え、80周年記念として昔のままで発売したそうだが、これが半月で15万個を売り切る大人気になったとか。観光と懐かしさと、いろんな要素がいりまじってのヒット商品は、今は全国の百貨店やスーパーの北海道物産展などで販売されている。(田幸和歌子)