レスリングのトレーニング法は新撰組に通じる!?
エキニュー総研<a href=http://media.excite.co.jp/News/weekly/040120/topics.html>「新選組」って、一体ナニ者?</a>で撮影
 今年はNHK大河の影響で「新撰組」ブーム。「新撰組」関連の書籍も多く出版されている。
そんな中、「新撰組全史 幕末・京都編」(中村彰彦 角川文庫)で面白いエピソードを発見。

 近藤、土方は隊士たちの精神面を強くするために様々な工夫をこらしていた。隊士たちの寝室に深夜突然踏み込み、不意打ちに備え即座に飛び起きて臨戦態勢をとれるようにする訓練などがその一例。

 何とこれと同じような訓練をしているスポーツがあったのだ。

 それは過去、のべ20人の五輪チャンピオンを生んできた日本レスリング界。東京オリンピックの頃会長を務めていた八田一朗氏が考案したこのトレーニング法は「八田イズム」と呼ばれるもの。いつでも、どこでも、どんな状況でも臨戦態勢に入れるように夜中に突然起こすトレーニングもあれは、電気をつけっぱなしで寝たり、ラジオのボリュームをガンガンにして寝るというものもある。

 これは一見、スポーツのトレーニングに全く関係ないようだが、実は大有り。海外遠征が多い選手達は常に寝る環境が異なるし、また時差もある。いつでも、どこでも、どんな環境でも寝られることは非常に大切なのだ。また、動物の俊敏な動きも勉強になる、と、わざわざ沖縄まで出向きハブとマングースの戦いを観戦、マングースのすばやい動きを勉強にいったこともあったそうだ。動物園のライオンとにらめっこというものある。


 この八田イズムはその後あまり取り入れられなくなったが、近年再び見直されてるそうだ。全日本の今年の正月合宿では往年の寒中水泳も復活。また、度胸をつけるためにバンジージャンプや自衛隊のレンジャー部隊の訓練も開始しているという。

「八田イズム」は基本的には精神面をトレーニングするというもので、氏の好きなことばは「根性」。世界のトップレベルの選手ともなると、最後はやはり精神面での戦いとなる。八田氏はちょっとおちゃめなところもあり、負けると「剃る」ということもやったそうだ。剃るのは頭のみならず下までも……。「剃られるのはいやだ」と選手は奮起したとか。しかしたとえ試合に勝ったとしても勝ち方が不本意だとやはり剃られてしまったそうだ。

 今年のアテネ大会から女子レスリングも正式種目になった。日本女子の強さもトレーニングにある。その凄まじさは海外の選手が「クレイジー」と呼ぶほどでついていける選手はないとか。
女子も男子もガンバレ! 日本レスリング!(こや)
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