富士山にある「バイオトイレ」って何?
(上)富士山頂のバイオトイレ。受付があって200円払う。(中)山頂にあったバイオトイレの看板(下)バイオトイレと山頂(御殿場口・七合目付近)
日本一の山、富士山には「バイオトイレ」というカッコイイ響きのトイレがあるというので見に行ってきた。

見に行ってきたって簡単に書いたが、普段まったく体を動かさない私には登るだけでそりゃあもう一苦労だ。
足腰ガクガクになりながら「バイオトイレ」を探す。富士山のトイレはどこもチップ制、レバーをひねるだけの街中のトイレとは違うんだから仕方ないか。

登っても登ってもなかなか見つからない「バイオトイレ」、やっとみつけたのは山頂でした!

まずは入り口で200円払う(バイオトイレだけ他のトイレより100円アップ)。ログハウス風の作りでとても清潔な感じ。さあ、どんなバイオが待ち構えているやら、とドキドキしながら個室のドアを開ける。あら、見た目は結構普通…どころか何も変わったところは見つからない。
バイオという言葉の響きから、「物凄いハイテクなもの」とか「とんでもなく不気味なもの」とか、とにかく極端なものを勝手に想像していたので拍子抜け。

入り口へ戻り、利用料を受け取っている窓口の人に「ここは、バイオトイレですよね?」と念をおしてみる。「はい、そうです」と窓口の人。「バイオトイレって何なんですか? どうやって処理してるんですか?」と私。「いやぁ、それはバイオで…」と言葉をつまらせた窓口の人。謎は深まるばかりだ。


富士山のトイレ事情について調べてみると、五合目より上はその多くが「垂れ流し」になっているらしく、分解されないティッシュぺーパーが自然を壊す原因になっているとのこと。そこで、採用されたのがこの「バイオトイレ」なのだ。汚物と「おが屑」をスクリューすることによって水分を蒸発させたり微生物分解したりっていう仕組みらしい。水がいらず、臭わず、2〜3年に一度交換する使用後のおが屑は理想的な肥料になるというんだから確かに自然に優しい。コストも比較的安く済むそうだ。富士山では山頂以外でも徐々に「バイオトイレ」の割合が増えているそう(富士山以外でも、冬場に水が凍結してしまう気温の低い場所や、水の確保が難しい場所などでバイオトイレは採用され始めているようだ)。


富士山が世界遺産に認定されない理由にはトイレ事情が大きく関係しているという話もある。頑張れ僕らのバイオトイレ!(スズキ ナオ)