
(上)久しぶりに行った動物園で、立派な「はく製館」を発見し、興奮する父。(中)かつてのスターだったライオンも今では…(下)こんな泣かせる貼り紙も
小さな小さな園内に、なぜか「はく製」だけが充実している動物園がある。長野県の「須坂市動物園」だ。
昭和9年に「サル舎」として始まったものが、昭和37年に動物園として開園。その後、何度かのリニューアルや拡張をしているものの、はく製館は開園当初からあるそうだ。
ここには79種類(398点)という動物がいるが、内訳はチャボやウサギ、インコなどが中心で、ペットショップか学校の飼育小屋かと思うほど。なのに、一角にある立派な「はく製館」には、ざっと見て20〜30種という動物が所狭しとひしめき合っている。
驚くのは、さらにそれらがみな、かつての動物園の人気者たちで、死んでしまった後に「はく製」として展示されているということ。
たとえば、昔、動物園の花形だったライオンも今では「はく製館」の仲間入りをしており、久しぶりに園を訪れた私の両親などは「ライオンを見よう!」と勇んでいたが、その姿が見つからず、「はく製だったアレが、そうなのか…」と肩を落としていた。また、ペリカンがいなくなったと思い、はく製館を見てみると、見慣れた姿がそこにあったなんてことも。もう懐かしいやら、寂しいやら…。
ちなみに、かつてはなぜか発砲スチロールに針をいっぱい刺しただけの「ハリネズミ」なんて、悪ふざけのような「なんちゃってはく製」も混ざっていたが、今では立派なメンツが勢ぞろいしている。すっかり満員御礼のはく製館だが、今後、新たな動物が入る可能性はあるのか?と聞くと
「今は、はく製にしてないですからねぇ。それにもう、スペースがないでしょう」
とのこと。
ちなみに、私の地元で、幼い頃からよく行く場所なんだが。
昭和9年に「サル舎」として始まったものが、昭和37年に動物園として開園。その後、何度かのリニューアルや拡張をしているものの、はく製館は開園当初からあるそうだ。
ここには79種類(398点)という動物がいるが、内訳はチャボやウサギ、インコなどが中心で、ペットショップか学校の飼育小屋かと思うほど。なのに、一角にある立派な「はく製館」には、ざっと見て20〜30種という動物が所狭しとひしめき合っている。
驚くのは、さらにそれらがみな、かつての動物園の人気者たちで、死んでしまった後に「はく製」として展示されているということ。
たとえば、昔、動物園の花形だったライオンも今では「はく製館」の仲間入りをしており、久しぶりに園を訪れた私の両親などは「ライオンを見よう!」と勇んでいたが、その姿が見つからず、「はく製だったアレが、そうなのか…」と肩を落としていた。また、ペリカンがいなくなったと思い、はく製館を見てみると、見慣れた姿がそこにあったなんてことも。もう懐かしいやら、寂しいやら…。
ちなみに、かつてはなぜか発砲スチロールに針をいっぱい刺しただけの「ハリネズミ」なんて、悪ふざけのような「なんちゃってはく製」も混ざっていたが、今では立派なメンツが勢ぞろいしている。すっかり満員御礼のはく製館だが、今後、新たな動物が入る可能性はあるのか?と聞くと
「今は、はく製にしてないですからねぇ。それにもう、スペースがないでしょう」
とのこと。
それにしても、子持ちになって初めて行ったが、自分自身の変化とは無関係に、かつての人気者たちは昔のままの姿だった。なんだかちょっと、哀愁です。(田幸和歌子)
編集部おすすめ