普通の公園に突如現れる一角獣と人頭魚
(上)ジャーン! なんですかこれは(中)角、尖り過ぎ(下)親と子どもとアンモナイト
日常の中に突如現れた、シュールな光景。丸の内線「茗荷谷駅」から程近い辺りを歩いていた私は、その光景に出くわし息を飲んだ。
決して広いとは言えない遊歩道のようなスペースに、巨大な一角獣が。向いには、魚の形をしたオブジェに人間の頭のくっついたやつが。一体、どうなってるんだ。

このスペースの名称は、「カイザースラウテルン広場」。1988年に東京都文京区とドイツのカイザースラウテルン市は、姉妹都市提携を交わし、ホームステイ生徒の交換などを行ってきた。1993年その「姉妹都市提携」のシンボルとして、カイザースラウテルン市出身の彫刻家であるゲルノト・ルンプフバルバラ・ルンプフ夫妻の作品を、ここに設置することになったのだという。


「神話空間への招待」をテーマに制作されたこれらのオブジェ。文京区のサイトにある説明によれば、一角獣は「偉大な力」を象徴し、魚は「幸運のシンボル」である鯉のイメージ。魚の頭部にくっついているのは、赤鬚王の名でも呼ばれた皇帝「フリードリッヒ1世」の頭像だとのこと。「地球の歴史発展の起源」を表すというアンモナイトのオブジェもある。

広場内に据え置かれたベンチには、おばあさんが座り、走り回って遊ぶ子供がいて、そんなごく普通の夕暮れの町並みに一角獣がたたずみ、人面魚ならぬ人頭魚が溶け込む不思議な風景。味わってみたい方は、ぜひ「カイザースラウテルン広場」へ。

(スズキナオ)