着火口で羽ばたく100円ライターの青い鳥
着火口で元気に羽ばたく「青い鳥」
かわいいキャラクターには目がない。
つい最近も、ちょいとタバコに火をつけようしたところ、ライターの着火口にかわいい小鳥を発見! この元気よく羽ばたいてる小鳥はいったい何者だ!? 裏面には小さな文字で「Tiltil Mitil(チルチルミチル)」とある。

なぜライターに小鳥? チルチルミチル??
詳細を調べてみると、思いのほかすぐに判明した。

このライター、東京パイプが販売するチルチルミチルというシリーズものの100円ライター。
同社のサイトによると、メーテルリンク原作の童話「青い鳥」の主人公の兄妹「チルチル」と「ミチル」が由来になっているのだそう。オイルショック後のインフレによる物価高騰など、世知辛い世の中に幸せを運んでくれるものになってほしいという願いから、幸せを求めて夢幻の世界を探訪したこの兄妹の名を冠したとのことらしい。
なるほど、そんな意味深い由来があったのか。と感心しつつも、気になるのはいったいいつからデザインされているのか。
最近のキャラクター人気の波に乗って、小鳥のキャラはつい最近なんてことも……。
さっそく東京パイプに問い合わせてみた。

単刀直入に、いつ頃から登場したキャラクターなのか伺ってみると、
「そのライターは、1975年に日本で初めて発売された100円ライターなんですよ」
え!?
質問と違う答えにもびっくりだけど、これって日本初なの!? オイルショック後とはいえ、日本初だったんですね……。
青い鳥は発売当初から刻まれてるんですか?
「そうです。チルチルミチルの名前と鳥のデザインで発売当初からずっと売ってきています」
第一次オイルショック後から、青い鳥を着火口に刻んで30年。昔は現在のものより小振りなライターだったが、多少の変更を経ながら、販売をつづけているという。

青い鳥くん。きみはそんな昔からこの着火口にいたのね……。疑ったりしてごめんなさい。なんだか小鳥が、可愛いというより力強く見えてきた。というか小鳥じゃないのか、最初に見たときより若干羽が大きくなってる気もするくらい……。

この青い鳥をデザインしたのは松本豊さんという方だそうで、現在は東京から和歌山に拠点を移し、画家として活躍しているとのことだった。
残念ながら、ご本人にお話を伺うところまでは辿りつけなかったけれど、元気に羽ばたいている青い鳥を見ると、まさに由来どおりの願いを込めて描いたのだろう、と勝手な想像でひとまず落着した。

普段なにげなく使っていたライターも、いまでは小さな幸せを願って、「青い鳥」をチラ見して着火する毎日。
もしかすると、あなたの身近のかわいいキャラも、なかなか侮れない由来の持ち主かも?
(モンキー・オガワ)