
裸足愛好家のニュージーランダーに、なぜ裸足で歩くのかと訊いてみた。「健康にいい」「暑いのに、靴なんか履いてらんない。ビーチサンダルでさえ暑い」「靴を履いたり、脱いだりするのが面倒くさい」「自然が一番」「店内の冷たい床が気持ちいい」など。言われてみれば、その気持ち、わからないでもないが……。「足の裏をケガしたりしないの?」という問いには、裸足愛好家が無言で足の裏を見せてくれた、洗っても落ちないのではないかと思うほど黒く汚れ、そして、なんともぶ厚い足の皮! 「この皮だからね。ノー・プロブレム」と、愛好家はちょっぴり自慢げに笑った。
「郷に入れば、郷に従え」と、わたしも一度、裸足で町に出たことがある。
今ではもうすっかり見慣れた、ニュージーランダーの裸足。夏だけではなく、真冬でも、コートにマフラーそしてなぜか裸足、ニット帽になぜか裸足と、暑いんだか、寒いんだかわからないニュージーランダーもいる。子供は靴を履いているのに、父親は裸足というパターンなどもあり。「裸足が好きだから裸足なのさ」。そのマイペースなニュージーランダーの生き様が、最近すごくカッコイイと思うのである。
(畑中美紀)