女の子に大人気だった「こなぷん」が20年ぶりに復活
「こなぷんドーナツキッチン」(左)と「こなぷんケーキキッチン」(右)
「こなぷん」って何だ? と思ってしまった私は正直オバサンです。
が、「こなぷん」はオバサンでも十分に乙女心(?)をくすぐられる商品だということがわかりました。

簡単に紹介すると、「こなぷん」は専用の粉と水を混ぜ合わせて本物そっくりのミニチュアサンプルを作ることができるクッキング遊びの玩具。
もともとは「アンナとのぞみ」という着せ替え人形のお店屋さんシリーズ、83年発売の「アンナとのぞみのフレッシュベーカリー」で「たい焼き」作りで初登場。
その後、このお菓子作りが独立したシリーズ「こなぷんDO」として発売され大人気になったのだそうだ。
その「こなぷん」が約20年ぶりに復活! バンダイから今月末に発売される。

その復活の背景を企画・開発担当の森江さんに聞いてみた。
「女の子のなりたい職業NO.1がパティシエだったり、小さい食品フィギュアが流行っていましたので、にせもののお菓子が作れるおもちゃを考えたいなと思っていました。
そんなとき、昔の「こなぷん」の商品カタログを見て、『いま発売したらこれは面白いな!』と思って開発をスタートしました。また、『こなぷん』のことを周りの人に聞いてみたところ、30代の女性から『子供の時やっててすごく楽しかった!』とか『お姉ちゃんがやっていて自分もやりたかったのにやらせてもらえなかった』など、楽しい商品だったという思い出話を聞いて、それなら商品化して自分も作ってみたいと思ったんです」

今回発売される「こなぷん」は「こなぷんケーキキッチン」と「こなぷんドーナツキッチン」の2種類(各3,675円)。
80年代のものに比べると作り方も簡単で水とこなぷんを混ぜて型に流すだけで作れるようになっていて、出来上がりのスイーツ類もよりかわいいものになっているのだそうだ。そして、何とドーナツキッチンではドーナツを油(もちろん「こなぷん」で作る)で揚げるようになっている。しかも、ドーナツを「こなぷん」の油に入れると本物の揚げ物のように泡が出てきて、さらにドーナツが浮いてきたら出来上がりという芸の細かさ。こうやって文章を書いているそばからやってみたくなっちゃいます。


それにしても、この魔法の粉のような「こなぷん」の正体は何なのだろう。
「『こなぷん』は勿論、おもちゃ用に特別に(株)紀文フードケミファさんが開発されたもので、主成分はアルギン酸ナトリウムという海藻類から抽出されたものです。『こなぷん』は食べることはできませんが、安全面を考慮して成分には食品としても認められている食品添加物を使用しています。アルギン酸ナトリウムは一般的にはプルプルしたパックやパスタなんかにも使われているそうです」

聞けば聞くほど興味をそそられる「こなぷん」。
今回のケーキキッチン、ドーナツキッチンでも作るスイーツによって粉の成分は微妙に異なるとのことでスポンジケーキはスポンジケーキ風に、ゼリーはプルプルっと質感も違うのだそうだ。
また、森江さんいわく、玩具の安全性を高めるために防腐剤などを使用していないため、「こなぷん」でできたミニチュアサンプルは保存が効かないとのこと。

最後になぜ、油の「こなぷん」に「こなぷん」でできたドーナツを入れると泡が出るのかを聞いてみた。
「油のこなぷんは、実はクエン酸というお酢と同じ成分でできていて、その酸がドーナツと反応し、泡が出てぷっくりドーナツを揚げる事ができるのです。何と反応しているかは秘密です」と森江さん。

「こなぷんケーキキッチン」と「こなぷんドーナツキッチン」は6月下旬発売予定。
その後も8月に「アイスクリームキッチン」など続々「こなぷん」シリーズが登場するとのこと。「こなぷん」のみ(ケーキ、ドーナツ各1,050円)も別売りで同時発売されるので、何度でもミニチュアサンプル作りが楽しめます。

(こや)