携帯電話、圏外で電池消耗が早く感じるのは気のせいか
圏外エリアのとき、携帯電話は電池消耗が早かった
携帯電話、今ではほとんどの人が持つようになり、ほとんどのエリアで電波が届くような環境になっている。各携帯電話会社が発表する人口カバー率という指標を見てもほぼ100%に近い値だ。


しかしいくら携帯電話が利用できる環境が整備され利便性が向上してきたといっても、やはり田舎の山奥や建物の中だったり地下などでは電波の届かない圏外のエリアもまだまだある。そんな圏外のエリアに長い時間いると、なぜかいつもよりも携帯電話のバッテリの消耗が早いような気がしたことはないだろうか? 実はバッテリの消耗が早いのは気のせいではなく、本当に圏内のエリアにいるよりも消耗が早いのだ。

携帯電話の電源をONにした場合、携帯電話はまず自分がどこの無線基地局(アンテナ)とやりとりをすればいいのかを探しにいく。ONにした場所の近くに複数のアンテナがある場合には、その中から最も電波状態がよいアンテナを選んで、自分がどのアンテナとやりとりするべきなのかを常に把握しておく。一度どこのアンテナとやりとりすればいいのかがわかれば、携帯電話はパートナーが見つかったことで安心し、落ち着くのである。

しかしONにした場所が圏外だった場合、携帯電話はやりとりするパートナーが見つからないことでかなり焦る。圏外のエリアにいる限り、携帯電話は自分の周辺にパートナーがいないかどうかを必死に探し回り、それを繰り返すために非常に体力を消耗する。実は圏外にいるときの携帯電話は恋人探しで大忙しなのだ。

でもそんなに必死になって探し回っていたら、ちょっと圏外にいただけですぐにバッテリがなくなってしまう。そんなことでは携帯電話も利用者もお互い困るので、まあ「まあそんなに必死にならんでも……」ということで、最近の携帯電話はちょっと賢い動きをするようになった。

それは、一度パートナーがいないとわかった時点で少し休憩をとることにしたのである。そして再度探してもまだ見つからないとわかったら1回目よりもちょっと長めの休憩をとる。
またまた探しても見つからなかったら2回目よりも長い休憩を、というように段階的に休憩する時間を多くとり、体力をなるべく消費しないよう自制するようになったのである。携帯電話もいろいろな経験をして大人になっていったのだ。

各メーカーに問いあわせたところ、このような仕組みは基本的にすべての携帯電話に当てはまる、とのこと。
長時間圏外エリアにいる機会も少なくなってきているとは思うが、明らかに圏外にいるとわかっているのであれば、携帯電話の電源をOFFにして休ませてあげたほうが、バッテリの消耗が少なくて済む。ちょっとした節電の知恵として知っておくといいだろう。
(リップカレント)
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