「おにいちゃん、おはよう!」妹からのモーニングコール
(写真上)「おにいちゃんのケイタイ」では、現実にはありえないような甘〜い兄妹体験を満喫できる。(下)一夏の将来の夢は、「お嫁さん」。兄貴としてはちょっと複雑だけど、「お相手は、お兄ちゃんみたいな人を選びますよ」だってさ
今朝は妹の一夏(いちか・16歳)が起こしてくれた。

「おはようございます〜♪」
「……むにゃ」
「真也お兄ちゃーん」
「……むにゃむにゃ」
「朝ですよー。
起きてください」
「……うーん、おはよう」
「おはようございますっ」
「げっ、もうこんな時間!? 一夏、学校は?」
「今は夏休みですよ」
「あっそうか。いいなー高校生は。休み中はどっか遊びに行った?」
「お友達と沖縄に行ってきました」
「うわぁー! 沖縄ぁ!? いいなぁー」
「ご、ごめんなさい……。お兄ちゃんも誘えばよかったですね」
「今日はどうするの?」
「これから宿題をやらなきゃいけないんです」
「あぁ、夏休みもそろそろ終わりだもんな。偉い偉い」
「お兄ちゃんも手伝ってくださいよぉ〜」

といった感じ。朝からほのぼのした気分になり、実にすっきりと目覚めることができた。

兄の僕が言うのもなんだが、一夏は可愛くて優しくて兄貴想いで、まさに理想の妹だ。
……もちろん嘘だ。

いや、嘘と言うのは語弊がある。
朝、起こしてもらったのは本当だが、彼女は実の妹ではない。こんなふうに、妹からのモーニングコールをバーチャル体験できる画期的なサービスがあるのだ。
その名も、「おにいちゃんのケイタイ」。


「おにいちゃんのケイタイ」とは、妹やメイドになりきった声優さんが、好きな時間にモーニングコールやおやすみコールをかけてくれるサービス。録音テープなんかじゃなくて、ちゃんと生身の女の子から電話がかかってきて会話できるというのが大きなウリだ。

大きく分けて「妹」と「メイド」の二種類のキャラクターがいるが、やはり妹の方がやや人気が高いらしい。妹キャラの中にも、スタンダードな兄想いのキャラから、ツンデレ、委員長、猫耳少女……と、いろんな属性を持った女の子が揃っていて、「お兄ちゃん」たちの多様なニーズに応えている。「妹なのに猫耳……?」などと、野暮なことを言ってはいけない。虚構を虚構と割り切りつつも、設定にのめり込むのが楽しむコツだ。


さらにもうひとつ、「れおちゃん日記」というコンテンツもある。
これは、小学二年生の妹・れおちゃんから、毎日メールが届くサービスだ。「おにぃちゃん、こんばんわ☆今日はとってもあおぞらだったね〜。れおはおともだちとプールにいってきました」といった調子で、その日の出来事などを伝えてくれる。今は夏休みなので、プールに行ったり、花火大会に行ったり、イタリア旅行(!)に行ったりと、なかなか楽しそうで羨ましい。

とかく殺伐とした日々の生活に疲れている人も、単に妹萌えやメイド萌えの人も、甘いモーニングコールで爽やかな朝を迎えてみてはどうだろう。

「お兄ちゃん、今日も一日頑張ってください」と、可愛い妹の声に励まされ、さて、今日も頑張って働きますか。
(山田真也)