
「お父さん、くさい!!(怒)」
そんな場面を、マンガやドラマでよく見かける。
実際、自分のまわりの「お父さん」たちは、今も昔も、よくおならをする印象があるが、これはどうしてなのか。
男性、特に「お父さん」ともなると、女性よりも「おなら」に対しての羞恥心が少なくなることはあるかもしれないが、もっと根源的な理由があるのではないか。
たとえば、消化機能に性差があったり? 総合診療科に勤める医師の友人に聞いてみた。
「おならをよくする原因としては、空気をのみこんでしまう『呑気症』や、腸内細菌が多い体質がありますが、一般には、腸管自体の機能に男女差はないので、おならの多い少ない、ニオイなどに性差はないと思いますよ」
ただし、食生活や食べ物の好みの違いで、動物性タンパクを多くとる男性のほうが、おならがくさくなることはあるかもしれないとのこと。
そういえば、昔、飼ってた猫がササミを食べてた時期、ものすごいパンチのある屁をしていたなぁ……。
では、「くさいおなら」の原因は具体的に何なのか。
食品メーカーに勤務する知人に聞いてみると、
「おならには、発酵型と腐敗型の2種類があります。発酵型のオナラは、善玉菌が主に大腸の前の方で炭水化物を分解して、ガス(二酸化炭素や水蒸気)を出すもので、ニオイもないし、害がないどころか、腸管を刺激して腸の働きを高めてくれます」
と言う。やっぱり、くさくないおなら=イイヤツというわけだ。
で、くさいおならは?
「腐敗型オナラですね。これは、大腸の後半部で悪玉菌が未消化のたんぱく質を腐敗させて作り出すガス。
ちなみに、生まれたばかりの赤ちゃんのウンチはくさくないが、それは、「腸内がたくさんの善玉菌で満たされていて、いわゆる『発酵型』のニオイになっているから」とか。
「年齢を重ねるにつれ、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが変化してくると、子供も大人と同じ『くっさー、えげつなー』なウンチになるのです(笑)」
つまり、おならのニオイを支配するのは、「食べ物」だけでなく、「腸内の菌=腸の健康度」ということ。
「くさいおなら」は周囲の人たちを困惑させるだけでなく、不調のシグナルでもあるようだ。要注意!
(田幸和歌子)