アイデア商品「ね手み手いやし手」のこだわり
(上)「ね手み手いやし手』2,980円(税込)<br>(下)「秘密を守りきります!」1,800円(税込)
テレビCMなどで大々的に売り出しているわけではないが、ホームセンターやスーパーにひっそりと陳列された商品の中に、異様に存在感を放つソレはある。

癒しグッズも多種多様な商品が発売されている昨今だが、先日私が見かけた商品は、抜群のアイデアとインパクトで心惹かれた。
その名も「ね手み手いやし手」。外観は、左写真の上をご覧になっていただきたい。この商品、なんとカイロプラクティックの先生の手をそのままリアルに再現し、枕にしてしまったカイロピローなのだ。
手、いや、枕の上にごろんと横になるだけで、首の付け根あたりの骨の歪みを矯正し、疲れ目や肩こりの原因を解消してくれるらしい(ただし、横になるのは約3分間。カイロピローをあてたまま長時間寝てしまうと刺激が強すぎるので注意)。

そのインパクト大なネーミングと、骨の歪み矯正という目的とはもはや全然関連がないであろう、爪までリアルに再現するナゾなこだわりが気になって、「ね手み手いやし手」を企画、販売しているアーネスト株式会社の黒鳥さんにお話を伺った。

「商品開発のポイントは、既存の商品よりも、改良された、プラスαの商品かどうかということです。企画会議でもユニークであるかどうかは重要なポイントです。健康器具関連は、専門の先生と相談しながら、どんな商品にできるかを検討していきますが、『ね手み手いやし手』は、ふだんのカイロプラクティックの施術の中で、病院に行かずに、家庭でできる商品があれば便利なのではないかと思ったんです。そして、カイロプラクティックの先生と相談するうちに、先生の手そのものを再現するのは、今までに類がなくておもしろいと思ったんですね」

だが、何故爪まで?
「ビジュアル的なおもしろさを追求すると、そこまでやった方がいいだろうと。また、この商品は、“手”がビジュアル的にも、商品の使用目的としてもポイントになってくるので、商品名でも手を強調しようと『ね手み手いやし手』に決まりました。2006年の8月から発売を開始しています」

アーネスト(株)では、他にもインパクトのあるアイデア商品が目白押しで、商品カタログを見ているだけでも楽しめる。

「これまでの大ヒット商品は、ハサミ型シュレッダー、『秘密を守りきります!』です(左写真下)。ふつうのハサミのように紙を挟んで切るだけで、シュレッダーにかけたように紙が細かく切れるんです。うちの社長が大のアイデア商品好きで、さらにネーミングにもこだわる性質で。通販商品ではあまりネーミングを重視しないこともありますが、店舗販売ではネーミングのインパクトが活きてくるんですよね」
たしかに同じような商品がズラリと並ぶ店のラックで、パっと目を引く商品は、他とは違うアイデアが光を放ち、手が伸びる。また買う側も、“ほかよりも少しでも目立ちたい”というその貪欲な姿勢に、心惹かれてしまうのかもしれない。
(駒井麻衣子)

アーネスト(株)HP