ママ達がハマるスクラップブッキングの世界
洋書屋さんで見つけたアメリカのスクラップブッキングの本。すっごくたくさんの作品例が載ってます
最近、おもに子どものいるママ達の間で爆発的な人気を呼んでいる、scrapbooking(スクラップブッキング)なるものをご存知だろうか。ようは“お気に入りの写真を素材に使ったクラフトアート”のことで、まずは台紙に家族の写真を張り付け、周囲をリボンやレースなどの手芸材料、さまざまな型に切った紙モノなどで装飾してコラージュ風の作品に仕立て上げていくというモノ。

「クリスマス」「お誕生日」「夏休み」などのテーマごとに、たとえば夏休みの写真なら海水浴のときに拾った貝殻など思い出の品を張り付けてしまったり、日記風にそのときのエピソードを書き込んだりもするらしい。

アメリカでは80年代くらいからブームに火がつき、日本でも04年くらいから話題になっていて今や大ブレイク中! 実用書が山のように出版され、専用の材料やキットが続々と発売され、教室が開講され、mixi等でも急激に愛好者のコミュニティが増えつつあるという。
ちなみにアメリカでは古くは「トム・ソーヤの冒険」で知られるマーク・トゥェインやアンディ・ウォーホルもこのスクラップブッキングの愛好家だったというのにはびっくりです! また、奥様同士で集まってお菓子や飲み物を傍らにスクラップブッキングしながらおしゃべりを楽しむことをクラップパーティ、なんていうそうでこれはアメリカではもはや定番なんだとか(ちなみに、クラップとは“ハサミで切る”の意)。う〜ん、なんだかとっても優雅で楽しそう……。

実際にこのスクラップブッキングの教室に通っている友人に魅力を聞いてみたところ、
「こうしないといけない、という決まりがないところがスキ。絵心ないし、不器用だけどそれなりにできるし」
「つくっている間、写真を見ながらそうそう、この時〜と思い出に浸ったり、できあがった後も家族で楽しめるのがいイイ」
とのことだった。
なるほど、キルトや編み物などある程度の熟練が必要な趣味と違って、誰でも気軽にはじめられるところが魅力なのかもしれませんねー。ちなみに、完成した作品はアルバム風にまとめて保存しておくこともあるが、部屋に飾ったり、祖父母などにプレゼントしたりといったこともあるそうだ。

私のような門外漢から見ると、決まったルールがないぶん、その人のセンスがモロに問われそうで恐ろしい気もする。しかし、他の習いごとと違って作品を第三者に披露するわけでもなく、見せるのはたいてい家族や親戚、同じ趣味の仲間という極めてパーソナルなものなので、実際のところ作品としての質はそれほど重要ではないらしい。大切なことは「写真の整理」という実用を兼ねた、家族の思い出と愛情の記録としての作品づくりなのだ。未整理の写真が山のようにたまっているという方は、春からの新しい趣味としてスクラップブッキング、いかがでしょうか?
(野崎 泉)