「リンス」を最近、見かけないのですが
ダンナが所蔵の「リンス」という、そのままの曲名のレコードを出してきました。曲はどんなか分かりませんが、「ごわごわの私を、やさしく包んでください」みたいな内容のようです。
かつては「シャンプー」といえば、「リンス」。「リンス」といえば、「シャンプー」。

さらに、じっこんの仲っぷりを高めた「リンスインシャンプー」という一体型もあって、「ふたり」はいつも共にあったはずだ。
なのに、最近のシャンプーのツレとしては、「コンディショナー」が一般的で、ちょっと上級なのが「トリートメント」といった感じ。

これらはそもそもどう違うのか。
ある美容師さんに聞いてみると……、
「リンスとコンディショナーは、正直、ほとんど一緒ですよ。どちらも髪の外側をコーティングするというものですから」
リンスよりコンディショナーが増えている理由は、
「単にイメージ的に、コンディショナーのほうが良さそうだからでは?」
ということだった。

その一方で、明らかに違うのは、トリートメントで、これは「髪の内側に浸透し、効いてくるもの」という。

ただ、トリートメントは「5分ぐらいおいてから、よく流してください」というものが多くて、正直、ちょっとめんどうくさいのだけど……。
「ホントは、トリートメントをつけて時間をおかなくても、洗い流しすぎなければいいんですよ」

この、美容師さんによくいわれる「洗い流しすぎるな」の基準が、いまいちわからないと言うと、こんな説明があった。
「ホントはシャワーで流すより、洗面器にお湯をはって髪をつけるとか、洗面器でお湯を頭にかける程度で十分なんですよ。ちょっとヌルッとするぐらいが、乾くとちょうど良い感触になるんです」
基本的に商品には「しっかり流す」と書かれているが、これはPL法の関係でそう書いているのであって、「地肌につけなければ良いんです」ということだった。

「そもそも生えてきたばかりの髪は、本来、健康ですから、髪の根元、地肌にはトリートメントなんて必要ないんですよ。髪の傷んだ部分、毛先にたっぷりつけるのがポイントです」
ただし、商品によっては、しっかり流すこと前提でつくられているものもあるので、しっかり流さないとベタつくものもあるとのこと。


ちなみに、こう聞くと、いずれにしてもトリートメントのほうがリンスやコンディショナーより効果が高そうな印象があるが、必ずしもそうではないらしい。
「もともと髪が太い人の場合は、内側に浸透して、しっとりさせるトリートメントのほうが向いていますが、髪が細い人にはそうでもないんですよね。細い髪の人には、外側をコーティングするリンスやコンディショナーのほうが、髪が太くなるので、良いのでは?」

また、ド金髪とか、ヘアカラーで傷んだ髪には、「内と外」両方に働きかける「トリートメント+コンディショナー」のあわせ技が良いとか。

なんでもかんでもトリートメントではなく、自分の髪の状態にあわせ、上手に使い分けたいものです。
(田幸和歌子)