本当の意味での「食わず嫌い」について考えてみた
らっきょうと梅干し(イメージ)。らっきょうについては家になく、あまりちゃんと見たことがないため、かなり違うかも。あしからず……
みなさんには「食わず嫌い」の食べ物ってあるだろうか?

「食わず嫌い」といえば、某テレビ番組でも人気のコーナーになっているけれど、あそこでいっているのは、本当の意味の食わず嫌いではない。というのも、ほとんどが「食べてみて嫌いになった」というものだからだ。


つまり本来の「食わず嫌い」の意味としては、広辞苑にも書いてあるが、「食べたこともなく、味も知らずに嫌いだと思い定めること」だから。好きな番組だけど、ちょっと使い方は間違ってるよな〜と、密かに思っていたのだ。

で、以前テレビの特番で、お笑い芸人の土田晃之が「梅干し」を一度も食べたことがないといっていて、驚いたことがある。でもその番組で全国の1万人に「梅干し」について調査してみたら、食べたことがないという人が300人ほどいて、さらに驚いたのだ。日本に生まれて、あのお弁当の定番でもある、「梅干し」を食べたことがないなんて。これぞ「食わず嫌い」ってことではないか。
 

でも、よくよく考えてみたところ、そういえば、自分にも「食わず嫌い」のものがあったのだ。
それは「らっきょう」である。

「らっきょう」だって、「梅干し」と同じくかなりポピュラーな食べ物だ。でも、私は生まれてから30年以上、一度も口にしたことがない。それを友人に話したら、「よくさけてこられたね〜。カレーライスとかにものってるのに」といわれた。


たしかに、カレーライスに「らっきょう」、または「福神漬け」は定番だ。でも、「らっきょう」が添えてあったとしても、よけて食べてこなかったわけだ。まさに「食わず嫌い」。食べるチャンスはたくさんあったのに、食べてこなかったのだ。

子どもの頃に嫌いだったものでも、大人になると味覚が変わるもので、今では好き嫌いはほとんどなくなった現在、それなのに「らっきょう」だけは、なぜか食べてみたいとすら思ったことがなく、ここまできてしまったのだ。ニオイがどうもダメらしい。


では、「らっきょう」を食べたことがない人、まわりにはどれぐらいいるのだろう? 20人に聞いてみたところ、なんと私と同じく、「らっきょう」を食べたことがない人が2人もいたのである。これは全国で調べてみたら、きっと相当の数になるのでは。ちなみに「梅干し」を食べたことがない人は、今回まわりにはいなかった。

他にもそれぞれの「食わず嫌い」を聞いてみると、見た目がダメという理由で「さざえ」という子がいた。でもそれ以外の人は、食べてみて嫌いになったものばかりだった。そう考えると、食べるチャンスがなかなかないというのとは別で、「梅干し」や「らっきょう」といった、どこの家庭にもありそうな、いわゆる定番ものの「食わず嫌い」の方が確率的には多いのか。
それだけ触れるチャンスも多いわけだから。

私の場合、ここまできたら、たぶんもう一生「らっきょう」は食べないと思う。でも一方で、どんな味なのかちょっと知りたい気も……。未知の世界なわけだから、もしかして食べてみたらすごく好きになったりするかも? なんて。

みなさんもこれを機に、本当の意味での「食わず嫌い」についてちょっと見つめなおしてみてください。そういえば……という定番ものがでてくるかも?!
(田辺 香)