「島じゃ常識さざえカレー」ってホントに常識なの?!
島の常識だった!? 「さざえカレー」は税込525円ナリ
日本海に浮かぶ隠岐島、島根県海士町の名物「さざえカレー」をご存じだろうか?

真っ赤なパッケージにさざえのイラスト入り、そして「島じゃ常識」と謳い文句がある。関東に住む私からすると、さざえカレーなんてかなり珍しく、ちっとも常識じゃない。
本当に島では常識なのだろうか?

そこでさざえカレーを製造・販売している隠岐どうぜん農業共同組合の方に話を伺った。さざえカレーって、ホントに島の常識なんですか?
「はい、常識ですよ」
驚くほどあっさり肯定。
「もともと島には肉がほとんどなかったんですよ。そのかわり、さざえはたくさん獲れました」
今でこそ肉も普通に食べられているが、30〜40年くらい前までは運送の状況も悪く、ほとんど肉を食べる機会はなかったのだそう。
「今でも子どもが海遊びでさざえを獲ってきたりするので、自宅でさざえカレーを作る人は多いですよ」
新鮮なさざえが豊富に獲れるこの島ならではのカレーといえよう。ちなみに家庭でつくる以外にもレストランでのメニューとしても定番とのこと。やはり「島じゃ常識」なのだ。

そんな名物カレーがレトルトパックとして売り出されたのは平成11年のこと。21種類のスパイスを加えてじっくり煮込んだカレー。私も食べてみたところ、封を開けたとたんに潮の香りが漂ってきて、なんだか島へトリップしたような気分。
「ただ磯の香りが強いので、好みがわかれるところかもしれませんね」
と担当者。このレトルトカレーは、肝をすりつぶしてバターで仕上げているためコクが強い。
これが美味しさのポイントのひとつだが、苦手な人もいるようだ。しかも特に島に苦手な人が多いというから驚きだ。
「島の人はあまり肝を食べませんから」
うーん、なんて贅沢な。そんな贅沢ができるのも、さざえが豊富にあればこそ!

商品は主に島根県隠岐郡のおみやげ販売所、出雲空港、米子空港、隠岐空港、石見空港、島根県観光物産館などで販売しているほか、通販も行っている。「夏だけど海に行けないよー」という方、まずはこのカレーで海の気分を味わってみてはいかが?
(古屋江美子)

JA隠岐どうぜんHP
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