
しかし、先日それを塗り替える計画が発表された。
先月の近鉄からの発表によると、地下5階・地上59階、高さ約300メートルで、低層階には営業面積日本一となる百貨店の売場として利用され、中層階にはオフィス、高層階にはホテルが入り、平成26年(2014年)春の完成の予定だ。
このビルが完成すると、日本一の記録が21年ぶりに塗り変わることになる。また現在、名古屋駅のJRセントラルタワーズ(245メートル)がギネスに登録されている「世界一背の高い駅ビル」の座も奪うことになる。高さ日本一、営業面積日本一の百貨店、世界一高い駅ビル。近鉄は、ナンバーワンのインパクトを狙っているようだ。
なお、東京・西新宿や埼玉にも、日本一のビルを作ろうという声はあがっているものの、具体的な計画はまだ発表されず、着工の目処も全くたっていないとか。
さて、日本の超高層ビルも十分高い。が、地震国日本では、それほど高いビルは建てられないといわれている。
そこで、世界に目を向けてみると、もっと高い超高層ビルがたくさんある。今から76年前の1931年に竣工した、ニューヨークの「エンパイア・ステート・ビルディング」の高さは381メートルで、横浜ランドマークタワーや近鉄の新ビルよりもはるかに高いのだ。
現在世界で一番高いビルは「台北101」。
では、台北101より高くなる予定である建設中のビルを見ていこう。
ニューヨークの「フリーダム・タワー」。世界貿易センタービルの跡地に現在建設中で、高さはアメリカ独立の年にちなみ、1776フィート(541メートル)となっている。完成すれば、北米一、世界一になる……というわけにはいかない。
同じくアメリカのシカゴでは「シカゴ・スパイア」という609.6メートルのビルが建設中だからだ。
しかし、この2つのビルのどちらかが先に完成しようとも、世界一になる可能性はきわめて低い。実は、さらに高いビルが、中東で建設が進んでいるからだ。
「ブルジュ・ドバイ」。アラブ首長国連邦のドバイで建設中のこのビルは、公式サイトで建設状況を公開しており、すでに、8月19日の更新によると、146階、536.1メートルの高さまでできあがっているとか。536.1メートル、つまり、508メートルの台北101をすでに抜いてしまっているのだ。
さて、では、このビルは最終的な高さは何メートルなのか? 実は、非公開、シークレットなのだ。
ちなみに、ビルに限定しなければ、世界一高い塔はカナダの「CNタワー」(553メートル)で、日本一は「東京タワー」(333メートル)となっている。かつての世界一は「ワルシャワラジオ塔」(646メートル)、日本一は対馬の「オメガ塔」(455メートル)だったが、前者は1991年に倒壊、後者は1998年に解体されている。
(もがみ)
・阿部野橋ターミナルビル整備計画について*近鉄ニュースリリース(PDFファイル)
・Burj Dubai公式サイト*英語