敬老の日、巣鴨の「赤パンツ人気」を追った
地蔵通りは、本当に赤パンツだらけ!
ちょっと前、ある健康雑誌で、「赤パンツ健康法」なる記事を目にした。いままた、巣鴨で赤パンツが売れているのだという。


巣鴨といえば、「おばあちゃんの原宿」。赤いパンツや腹巻も以前からあったように思うが、ホントにそんなに人気なのだろうか。なぜ今?
敬老の日の9月17日、実際に巣鴨に、その人気ぶりを見に行ってみた。

まずしょっぱなから驚いたのは、地下鉄の駅から地上に上がるエスカレーターのゆっくりさ。「低速運転」とかかれているが、やはり年配の方の利用が多いからなのだろう。
地上へ出て、とげぬき地蔵がある巣鴨地蔵通りを歩くと、確かに、そこここに、真っ赤なパンツが売られている。

どの店も、たいてい「1枚200円」といった赤パンツを目玉商品として店頭に並べ、生地などが違うらしい高級寄りの赤パンツなどもバリエーションとして陳列していた。
巣鴨に来るのは数年ぶりだが、確かに、以前はこんなに赤パンツに覆われた通りじゃなかったような気もする。ホントに流行ってるのか……。

とげぬき地蔵を過ぎて、さらに進むと、赤パンツに加え、赤Tシャツや、赤作務衣、赤タオルなど、赤が占める割合がますます増えてきた。
実は、赤パンツを売るたくさんの店のなかでも、赤パンツの元祖という「巣鴨マルジ」は、1号館、2号館、赤フンも扱う男の赤パンツ「メンズ3号館」、4号館まであって、さながら新宿における丸井のような勢力を示しているらしい。
なかでも、いちばん品揃えの豊富な2号館をのぞいてみると、ガーゼの無地赤パンツからレースの赤パンツ、招福赤パンツ、12カ月の花言葉を添えた赤パンツ、「すがも」とかかれたワコールのオリジナル赤パンツまで、赤パンツだけでかなりのバリエーション! 年配の利用者が多いためか、サイズはLLが多いというのも、特徴的である。


さらには、赤い腹巻や赤いスニーカーソックス、赤レッグウォーマーなど、若い人向けに見えるものまで、実に多種多様に真っ赤っ赤。
お店の人に売れ筋を聞いてみると、
「プレゼントには、やはり干支の赤パンツや、当店オリジナルの駄洒落をまじえた『若ガエル』赤パンツが人気ですね。深めにつくられている赤パンツは、東洋医学でいう、へその下にある『丹田』というツボを覆うことで体をあたため、自然治癒力を高めるといわれています。また、女性は赤を身につけると、一生下の世話にならないという言い伝えから、買っていく方が多いんですよ」
とのこと。

じゃあ、最近、赤パンツが特に人気ってホントですか?
「以前から赤パンツはありましたが、ちょっとずつ種類が増えていって、今はこの通り、確かにいちばんバリエーションが多いピークにきてますね! 病は冷えからくるものが多いといわれますが、最近は夏でも冷房によって、かえって冷えに悩む方が増えてますよね? だから、赤パンツだけでなく、若い方にも、赤い腹巻をご自分用に買っていく方がけっこういらっしゃるんですよ」
とすすめられた。

実際に、おばあちゃんたちが赤パンツを求め、押し合いへしあいで買う姿は見なかったが、それでもこの界隈を覆う「赤1色」っぷり、予想以上の賑わいのようです。

(田幸和歌子)