
実は恥ずかしながら、私はうまく着られない。ダラダラ寛いでいるとすぐ着くずれてしまうし、朝起きたら帯一本だけ、なんてこともよくある。そこで兵庫県にある「ゆかたの似合うまち」城崎温泉の城崎文化フェスタ実行委員会の井本さんに温泉ゆかたの着こなしのコツを伺った。
温泉ゆかたを上手に着るコツは何でしょう?
「“ゆかたを着る”ということに関して全体的に言えるのは、ゆかたを着た時の姿勢、立ち振る舞いが一番大切ということです。特に歩き方には、充分ご注意下さい」
もちろん、着付けにはちょっとしたポイントもあるが、
「ゆかたを上手に着るコツは、着こなすテクニックというよりも、姿勢を正し、いかに着くずれさせないかの一言につきると思います」
なるほど。確かにゆかたでの凛とした立ち振る舞いは、見ていても格好よいもの。
ちなみに基本的なゆかたの着こなしについては、同委員会が運営する「ゆかた着こなし辞典」のサイトが詳しい。また「ゆかたの着方・帯の結び方」のページでは着くずれたときにサッと直す裏技的なテクニックも紹介している。
とはいえ、やっぱり寝ている間には着くずれてしまうのでは?
「それは仕方がないことです。着くずれしない対処法としては、単純なことなのですが、帯をしっかりと結ぶ、もしくは、予め自前の帯1本携帯しておいて、胸の辺りと腰の2カ所を結んでおくしかないですね」
城崎温泉のほとんどの旅館では、シンプルな柄の宿ゆかたとは別に、街歩き用の華やかな色ゆかたを用意している。宿ゆかたは基本的に寝間着としての位置づけなので、多少しわができるのはやむをえないのだそう。
ところで寝ている間にしわくちゃなってしまったゆかたを、翌日の朝食のときに着るのはマナー違反?
「身だしなみを考えるとNGです。
慣れるまではなかなか難しいゆかたの着こなし。そんなときに嬉しいのが城崎温泉にある「ゆかたご意見番」だ。ゆかたで何か困ったときに対応してくれる場所で、町内に約30軒ある。簡単な気付けのポイントが分かるリーフレット「ゆかた辞典」がもらえるほか、手直ししてくれることもあり、手直ししてくれることもあり、着こなしに自信がないときや、着くずれた時の強い味方だ。
最後に井本さんから、読者のみなさまにひとこと。
「城崎温泉は、ゆかたを着たまま温泉街を散策出来る日本でも数少ない温泉地のひとつで、“ゆかたの似合うまち”として全国のみなさまに愛されております。日本情緒溢れる“まちなみ”は、古き良き時代を思い出させ、この“まちなみ”とゆかたとのコラボレーションは、“和”のイメージにピッタリでございます。ゆかたを着て、温泉に入って、美味しい物を食べて、城崎温泉で心も身体も“べっぴん”になってみませんか? みなさまのお越しを心よりお待ち申し上げております」
ぜひみなさんもこの冬はサラリとゆかたを着こなして、温泉をもっと楽しんでみませんか?
(古屋江美子)
・ゆかた着こなし辞典ホームページ
・城崎温泉観光協会ホームページ