でも、今考えてみたらそこは仲介手数料が1カ月分。仲介手数料を0.5カ月分と打ち出している不動産屋もあるんだから、「どうせ同じ物件なら手数料が安いところにすればよかったぁ〜」と思った経験が。でも、それができたら仲介手数料が安い不動産屋だけがひとり勝ちしそうな気が……。
そもそも本当に不動産屋が扱ってる物件ってみんな同じなの? 気になりますよねぇ。そこで、物件探しをサポートする株式会社レンターズの加藤哲哉さんに聞いてみました。
「確かに、7〜8割くらいの物件はどの不動産屋でも取り扱っています」。
ふむふむ。つまり、大家の意向で物件を扱ってもらう不動産屋の幅を、どこまで広げるかが決められるということ。
ひとつの不動産屋が、自力で契約をとる自信がある物件……つまりは、この2〜3割に良い物件が眠っていることが多いと解釈できるわけ。地域密着型で昔ながらの不動産屋には掘り出し物の物件があるという噂も、こんなところから出てるんだな……。なんだか不動産業界は奥が深い。
でも契約する立場からしたら、やはり気になるのは仲介手数料の話。もしA不動産とB不動産が同じ物件を扱っていた場合、A不動産に案内してもらった物件を、仲介手数料が安いB不動産で契約できるのか? っていうお話ですよ。
「結論としては契約できます……いや、できてしまいますね」と加藤さん。“できる”ではなく、“できてしまう”……その真意は?
「行為自体は可能です。ただし、契約まで交わさなかったものの、物件を決めるような意思表示をした後に違う不動産屋に行く行為をとると、A不動産がB不動産にクレームをつける場合もあるんです」。なるほど。でも実際は、物件を案内してもらった程度では、最終的に誰が正式に契約したかはわからないので、決定の意思表示をする前ならNGな行為ではないんだそう。
良いこと聞いちゃった♪ と思う反面、なんだかこの行為をするには気がひけてしまう。
(勝浦阿津希/プロップ・アイ)
・株式会社レンターズHP